「未経験からでもパーソナルトレーナーになるのは可能か」という疑問に対して、堂々「YES!」と答えてきました。その答えが変わることはありませんのでご安心を!今では未経験からフィットネス業界を目指す方や、実際に独立してる方もたくさんいます。そういった点でも自信を持っていただいていいのですが、未経験だからこそやるべき事や頑張らなくてはいけない事、正しい手順などはあります。今回は就職・転職する際に必要な準備や、有利になるための「これはしておくべき!」というポイントをお話していきますので、是非参考になさってください。
未経験からパーソナルトレーナーに就職・転職できる?
これは冒頭でも以前の記事でもお話したように、未経験からでもパーソナルトレーナーに就職・転職して仕事をすることは可能です。実際に、フィットネス関係とは全く別の仕事をしていた方がパーソナルトレーナーになり、数年後に独立して自分のジムを開設するような方もいます。僕の周りでも、消防士からパーソナルトレーナーに、カフェアルバイトからインストラクターに、主婦から女性専門のパーソナルトレーナーになった方々もおり、全く不可能なことではないことは明らかです。本当に素晴らしいことですよね!今はそんな運動指導者になった方々と一緒に仕事をさせてもらってます。
この方々が何をしてフィットネスの世界に入ったのかと言うと、例えばボディコンテストで優勝したり、専門の学校を卒業したからなどではなく、まずは『情報収集』からスタートしました。
今流行っているトレーニングは何なのか。
人気のトレーナーはどんな人なのか。男性?女性?
パーソナルジムやフィットネスクラブの未来予想
などなど本やネット、SNS等でできる限り業界のことを知ることから始めていました。良い点は、それがやらされているのではなく自らが楽しくできる作業であることです。誰でも興味のあることに関しては人気のある商品や人、流行りのものなどは知っておきたいものですよね。無理なく業界の状況や知識が自然と身についていくことでさらに面白さが増し、もっと深い専門的な知識を勉強し始めたという流れです。スタートはやはり『興味・関心』からだったということですね。
有利になる条件とは
パーソナルトレーナーとして就職・転職する際には有利になる条件があります。これはどの業界でも同じだと思いますが、例えば肩書きや資格などです。そういった具体的な点も含めて、有利になりやすい条件などを説明していきます。
資格取得
アルバイト経験
ボディコンテスト出場
(資格取得)
どの業界でも資格を持っていることは大きな武器になります。フィットネス業界でも同じです。パーソナルトレーナーの資格には主に以下の種類があります。
NSCA-CPT、CSCS
NESTA-PFT
JATI
健康運動指導士 など
どの資格も知名度が高くパーソナルトレーナーにとって人気があるだけでなく、企業側からみても信頼度が高い資格になります。履歴書の資格を書く欄にこれらの文字を見ると、『運動についてしっかり勉強しているな』という印象を与えることができます。もちろん資格によって学べる内容や指導方針は異なりますが、最低でもこれら4つの資格については事前にリサーチしておきましょう。その中で、まずは自分が取得できそうだなと思うものを勉強していきましょう。正直、「これなら取りやすそう」という感覚でOKです。まずは取得することが目的なので、スタートしやすく継続して勉強できそうなものを選んでください。
>>おすすめのパーソナルトレーナー養成スクールまとめ
(アルバイト経験)
パーソナルトレーニング指導を本職にする(就職・転職)前に、フィットネス関係のアルバイトを経験しておくことも良いでしょう。例えば、皆さんが飲食店の店長だったとします。アルバイト面接に来た学生さんが、『飲食店の経験2年あり』の場合と『飲食店経験なし』の場合だとしたら、どちらの方を採用したいなと感じるでしょうか。おそらく「飲食店経験が2年あるのか。即戦力になりそうだし、対応に慣れてそうだな。」こういった印象を持って、評価がグッと上がるのではないでしょうか。パーソナルトレーニングでの就職・転職も同じです。
フィットネスクラブやパーソナルトレーニングジムでのアルバイト経験があると、企業に対して「指導スキルの経験があるのだな」という印象を与えることができます。それだけではありません。フィットネス関係の仕事は、ただトレーニング指導をするだけが役割では無く、『人と接する』ことも大切な仕事です。個人的には、性別・年齢・職業など様々なタイプのお客様と接することができるフィットネスクラブでアルバイトすることをオススメします。トレーニング指導をする上では、指導スキルよりもその人のことを知ることが大切なので、より多くの人と接する機会があるフィットネスクラブでの経験はかなり大きいと思います。
(ボディコンテスト出場)
ベストボディジャパン・FWJ・JBBF・サマースタイルアワード、これらの名前を聞いたことはありますか??これら全てボディコンテストの大会名になります。今は一つだけでなく様々な団体がボディコンテストを主催しているんですね。ボディビル大会とは少し趣旨が異なる大会となっており、出場する際のカテゴリーもいくつかあります。男性ですとフィジーク部門やフィットネスモデル部門。女性ですとフィットネスビキニ部門やフィギュア部門などがあります。
また、年齢や身長別でクラスが分けられるので、どこの部門でどのクラスに出場するかは自分で決めることができます。
実は、このボディコンテストの大会に出場したことがきっかけで、パーソナルトレーナーを目指す方も多いんです。
そこで優勝した方や入賞した方が大手のパーソナルジムで仕事をするようになったり、独立してジムをオープンする方もいます。今ではかなり浸透してきたボディコンテストでの成績は、企業からもみても一つの評価対象になってきています。自らの実績づくりのためには、まずは出場を目指すのも良いかもしれませんね。
明日からできる!まず準備しておくべきこと
就職・転職に有利になる条件を説明してきましたが、具体的にはどのような行動をしていけば良いのでしょうか。
ここからは、明日からでもできるパーソナルトレーナーになるための取り組みについてお話していこうと思います。
皆さんが明日からでもできる行動はこの3つです。
勉強
筋トレ
バイト
(勉強)
正直どの職業もそうですが、まずは勉強あるのみ!です。パーソナルトレーナーという仕事は、お客様の身体を預かり、安全に指導しなくてはいけません。これは本当に重大な責任です。トレーニングは怪我をするリスクが常にある状態ですし、一つ間違えれば命を落とす危険すらあります。それくらいの大きな責任があることをしっかり理解した上で、指導をしていかなくてはいけません。これを聞いて『不安』を感じる方もいるかもしれませんが、その不安を解消するためには学び続けるしかありません。つまり勉強です。
勉強して知識や経験を積んでいくと、その『不安』が『自信』に変わります。「これだけ勉強したから大丈夫!」というふうに、自信を持って指導ができるようになるはずです。人は誰でも自分がやってきたことに対して、自然と自信がつくものです。なので常に学ぶ姿勢を忘れないようにしましょう。勉強するだけなら明日からでも、もっと言うと今日からでもできます。本や雑誌を買ってきて読むこともできますし、ネットで興味のあることを調べてみることも一つです。まして今の時代では、スマホ一つで様々な情報をキャッチすることができます。YouTubeで筋トレ動画を見る、パーソナルトレーナーのブログを読む、SNSで検索してみるなど、手段はたくさんあります。この記事を読んだ後、すぐに何か検索してみましょう!
具体的に勉強しておくべきことは以下の通りです。
解剖学
運動生理学
機能解剖学
危険因子
主に身体の機能や仕組みに関することがほとんです。筋肉や関節の名前だけではなく、作用もしっかり勉強しておきましょう。人が歩くときに筋肉はどのように働くのか、食事をしたときに起こる身体の反応など、普段の何気ない動作でも身体にとって大切なことです。また、危険因子についても必ず勉強しておきましょう。トレーニングのリスクはもちろん、万が一のときにも備えて応急処置法についても必ず勉強しておきましょう。これは勉強しすぎて損することはありません。お客様がトレーニング中に体調不良を訴えたとき、顔色、汗のかき方など見るべきポイントはいくつかあり、処置の方法を変わってきます。心肺蘇生法も含めて、活動しているジムの近くに何があるか、ジム内にAEDはあるなども把握しておくべきです。
(筋トレ)
明日からできるパーソナルトレーナーへの道、2つ目は筋トレです。これからパーソナルトレーナーを目指そうとしている皆さん、普段トレーニングはしてますか??もししていないのなら、今すぐ明日の筋トレメニューを立てましょう!ジムに入会しろ!と言っているわけではありません。筋トレはその気になればどこでもできます。自宅だけでなく、公園・階段・山道など筋トレとして活用できる場所は様々です。
ではなぜ筋トレをするべきなのか。もちろんお客様を指導するときに自分が種目のお手本を見せなくてはいけないので、そのための練習として鍛える必要もあるでしょう。しかし今回はその前の段階で、就職・転職で有利な理由を話します。理由はとてもシンプルですが、企業側は『見た目』を非常に重要視するからです。パーソナルトレーナー志望の人の見た目というのは、言うまでもなく体格です。パーソナルトレーナー=マッチョでなくてはいけない、というわけではありませんが、トレーニングを教える立場である以上、やはりある程度の筋肉量がある方が評価対象になります。
何度も言うようですが、極端にマッチョになる必要はありません。「だったら、服を着てればあまりわからないのでは?」と思う方もいるかもしれませんね。実は、トレーニングしてる人としていない人では、服の上からでもわかるものなのです。ハッキリとここを見ればわかる!というポイントがある訳ではありませんが、姿勢・服の着こなし方・雰囲気等でバレてしまいます。(笑)ですので、是非明日から筋トレを実行してみてください。腕立て・腹筋・背筋など基本的なことでOKです!
(バイト)
明日からできるパーソナルトレーナーへの道、3つ目はアルバイトです。少し大きめのフィットネスクラブでアルバイト経験を積んでおきましょう。なぜフィットネスクラブでバイトすることが就職・転職に有利になるのでしょう。その理由はただ一つ、業界の経験があるからです。上記でも記載した通り、経験があるのと無いのでは企業からの評価は大きく違ってきます。もちろん経験がある方が良いですよね。バイトは明日から働き始めることはできませんが、バイトする場所を調べたり履歴書を書いたりすることはできます。
まずは自宅の近くでフィットネスクラブがあるかどうかを調べてみましょう。そして、一度お客さんとしてそのクラブに行くと良いと思います。スタッフの対応方法もわかりますし、何よりお客さんとしてなので丁寧に店舗を紹介してくれます。店舗の紹介を受けて、ここで経験を積みたいなと思えば、後日電話でアルバイトの募集があるかどうかを聞いてみると良いです。ただ、無理に近場を選ばなくてもOKです。まずは自分が働きやすい場所を絞って、経験が積めるところを探してみましょう。
就職・転職するときの注意点
さて、ここまでパーソナルトレーナーへ就職・転職するための内容について記載してきました。体格や経験が大切だということを述べてきましたが、パーソナルトレーナーは何より人間性が大切になってきます。トレーニングは決して楽なことではありません。お客様のモチベーションが低下するときももちろんあるでしょう。そんな時でも「このトレーナーについて行きたい」と思ってもらうためには、日頃の接し方や態度にあると思います。しっかり挨拶をしたり、最低限の身だしなみにも気を配るなど、当たり前のことを当たり前にできるようなパーソナルトレーナーを目指していきましょう。
高月宏和(Hirokazu Takatsuki)
スポーツ系の専門学校を卒業後、J1リーグに所属する静岡の清水エスパルスに入社。一般の方からプロ選手までのトレーニング指導を5年経験したのち、パーソナルトレーナーとして独立。独立から7ヶ月後にパーソナルジム『BodyBrand』を設立。主に一般の方の『美姿勢づくり』『ダイエット』をサポートするパーソナルジムとして定評があり、現在は5名のトレーナーと活動中。