今回は、健康に携わる資格で人気な「管理栄養士」についてまとめました。現代では、「生活習慣病」「拒食症」「糖尿病」など、健康に関する問題が山積みです。それらを食の観点からサポートするのが、管理栄養士です。今後、「女性が活躍できる資格」として管理栄養士は知っておくと良いでしょう。
管理栄養士とは?
管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。病気を患っている方や高齢で食事が摂りづらくなっている方など、高齢者から子供まで一人ひとりに合わせて栄養指導、栄養管理を行います。専門的な知識を持って、個人から集団に栄養のアドバイスをしたり、給食施設で献立を立て提供したりと、さまざまな食に関する場面に携わっています。
資格取得の流れ
管理栄養士になるには、管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程の2パターンに分けられます。管理栄養士養成施設である大学や専門学校で4年間学び、管理栄養士の国家試験に合格することで資格を得られます。一方、栄養士養成施設である大学や短期大学、専門学校の場合は、栄養士の資格を取得し栄養士として1〜3年の実務経験を積み、管理栄養士の国家資格試験に合格する必要があります(実務経験年数、実務経験として認められる施設は後述します)。管理栄養士として働きたいのか?栄養士として働きたいのか?を決めてから、施設を選択してください。また、栄養士でも実務経験と国家資格さえクリアできれば、管理栄養士になれます。管理栄養士養成施設も、栄養士養成施設も、勉強する内容が多いことや実習があることなどから、夜間の学校や通信教育はありません。必ず昼間の学校に通う必要があることも覚えておきましょう。
▶︎必要な実務経験の年数
・2年制の栄養士養成施設を卒業 → 3年以上の実務
・3年制の栄養士養成施設を卒業 → 2年以上の実務
・4年制の栄養士養成施設を卒業 → 1年以上の実務
▶︎実務経験が認められる施設
1 寄宿舎、学校、病院等で、特定多数人に対して継続的に食事を供給するもの
2 食品の製造、加工、調理または販売を業とするもの
3 学校、専修学校、各種学校、幼保連携型認定こども園など
4 栄養に関する研究所および保健所などの行政機関
5 1~5のほか、栄養に関する知識の普及・指導の業務が行われるもの
資格取得にかかる費用
▶︎管理栄養士養成施設の場合
・私立大学(4年間):400万円程度
・国立大学(4年間):250万円程度
管理栄養士養成施設のメリット
一般的な大学と費用は変わりません。管理栄養士施設で学ぶメリットとしては、実務経験を積まずにストレートに国家試験を受けられることです。栄養士施設の場合、最低でも1年以上の実務経験を積みます。その結果、経験は積めるものの栄養の知識を維持できない可能性が出てきます。現場では、学んだことを全て使わないですし、勉強の時間も制限されます。合格率を上げるためには、国家試験対策に申し込み1から勉強する方もいます。金銭面を除けば、やはり管理栄養士養成施設をお勧めします。
▶︎栄養士養成施設の場合
・専門学校(2年間):200万円程度
・私立短大(2年間):200万円程度
※3年制、4年制と100万円程度の違いがあります。ここでは記述しません。
栄養士養成施設のメリット
栄養士養成施設は短期間で、費用を抑えて集中的に資格を取得できることが最大のメリットです。しかし、ここで取得できるのは栄養士の資格です。2年制の栄養士養成施設を卒業後、3年間の実務経験を積み、管理栄養士の国家資格試験を合格する必要があります。費用を抑え、働きながら管理栄養士を目指す方にお勧めです。参考程度にですが、管理栄養士養成施設を卒業後、ストレートに受験した場合の試験合格率は90%程度、栄養士養成施設卒業後、もしくは管理栄養士養成課程の即卒では試験合格率が20%程度です。この合格率の観点からも、管理栄養士を目指す方は管理栄養士養成施設をお勧めします。
就職先
管理栄養士が働く場所として主に、病院、学校、介護施設や福祉施設、食品メーカーが挙げられます。病院では患者の症状に合わせて栄養管理をします。病気の方や思うように食事ができない方などが対象者となります。学校のような教育機関であれば、給食の献立作成や食材の発注などに携わります。介護施設や福祉施設では、高齢者や障害者でも食べやすい献立を考えます。このように食に関することであれば、さまざまな場所に働き口があります。また、働く環境で仕事内容や求められる技術も異なるので、栄養管理をする対象者や実務内容はしっかりと把握しておきましょう。最近では、オンラインを活用した食事指導も人気があり、管理栄養士としてダイエット目的の方や健康増進目的の方など、遠方の方にもサービスを届けることができます。食のスペシャリストは、活躍できる場所が多数あるということです。
栄養士との違い
管理栄養士と混合されやすい資格として、栄養士というのがあります。栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、主に健康な方を対象に栄養指導を行います。主な仕事は、学校や保育園、病院などで栄養バランスの良い献立を作成し、健康のサポートをしています。管理栄養士は、より高度な指導を求められるので、栄養士に比べると働く場所や活躍できる場面が多いというのも、資格の違いと言えます。
管理栄養士と働き方
将来的に、病院や福祉施設ではなく、健常者を対象にサービスを提供する場合も、管理栄養士は非常に有利な資格です。今後、「好き」を仕事にする上でフリーランスとして個人の働き方にシフトしていく人が増えるでしょう。また、副業の解禁によって、メインの仕事は残しつつ隙間時間を使って収入を得る人も増えてきています。それは、SNSの普及、インターネットの広がりで個人でも認知されやすくなったことと、大企業だとしても定年まで雇用することが難しくなってきた背景があります。現代では、生活習慣病や拒食症など食で悩んでいる方が大勢います。その「肥満を改善したい」「食事を楽しみたい」のニーズを満たすために、管理栄養士こそ最上級の資格なのです。管理栄養士という資格は、認知度も高くほとんどの方が「食のスペシャリスト」として認知しています。オンラインを活用して食事指導をすることもできますし、企業サイトのブログ記事の執筆や他フリーランスとジョイントベンチャーを組むこともできます。食に注目が集まる中、管理栄養士が欠かせない資格になっています。「健康に携わり、たくさんの人を幸せにしたい」という方は、管理栄養士という「武器」を持っておくと良いでしょう。
食のあり方から環境問題まで
最近、オーガニック食材やヴィーガンを耳にしたことはありませんか?これらは、単に健康志向ということではなく、倫理的観点から食のあり方を考える思想のようなものです。世界的に有名な歌手や著名人が始めたことで、一気に広がりました。しかし、このような広がりで健康を害してしまう方も大勢います。健康が全てではありませんが、健康を失えば全てを失います。そのような方にも、栄養の管理や食事の工夫などを教育していく必要があります。これは、高度な専門知識がある管理栄養士にこそ解決できる問題です。全ての人に、「食の大切さ」を伝えられる素晴らしい資格が、管理栄養士ということです。
栄養管理士よりも簡単に取得できるパーソナルトレーナーの資格
NSCAやNESTAなどパーソナルトレーナー向けの資格を取得するには独学かスクールに通うか、2つの選択肢があります。機能解剖学や運動生理学などの基本知識があれば独学でも合格は目指せる範囲だと思いますが、基本知識に自信のない方は、スクールへ通うことをオススメします。また、スクールに通うことで、基本的な知識はもちろん、実践的な実技(トレーニング指導)を習得できたり、就職支援が受けられたり、卒業生のコミュニティができたりと資格取得以外のメリットがとても多いため、独学の人よりも何かと有利です。
個別指導であれば、最短2ヶ月で取得することもできます。最近では多くのスクールがあり選定が難しいため、ここでは厳選したオススメのスクールを幾つかご紹介します。個別指導なのか集団授業なのか、オンラインに対応しているのか、講師はどんな人なのかなどご自身に合ったスクールを探して、まずは資料請求をしてみてはいかがでしょうか?