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NSCAの資格取得のメリットについて

資格

2020.07.01

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パーソナルトレーナーをこれから目指す方や、トレーナー活動の幅を広げていきたい方は、トレーナーの資格についてご興味をお持ちだと思います。今回はアメリカのトレーナーの国際ライセンスであるNSCAという資格取得のメリットについてご紹介したいと思います。この資格の学習方法や資格取得後にも、どのように活用できるのか?意外にも知られていません。 今後、NSCAの資格を取得し、トレーナーとしての活動の幅を広げたい方に是非お読み頂ければと思い、寄稿させて頂きました。

日本だけでなく、トレーナーの国際ライセンスとして最もメジャーな資格

今、パーソナルトレーナーの市場がどんどん伸びてきていて、これからパーソナルトレーナーの業界に参入したいという方も多いと思います。そういった中で、学生の方や他業種の方は、プロのパーソナルトレーナーになるには、何から始めたらいいのか?正直わからないと思います。一つは、トレーナーの専門学校や体育大学に入学し、学ぶことですが、当然費用がかなりかかるので、他業種からの転職には、足踏み状態の方も多いのではないでしょうか?

私も体育大学出身ですが、最近の体育大学の学生でも、トレーナーの資格を取得している人は限られています。そこで、トレーナーの業界でパーソナルトレーニングができるだけの力をつけて、トレーナー活動をする為の登竜門として、NSCAというトレーナーの教育団体の資格を取得することをお勧めしたいと思います。内容としては、機能解剖学、運動生理学、栄養、法規などトレーナーに必要な知識が多岐に学べます。

なぜ、NSCAを私がお勧めするか?というと現在、世界76の国と地域において会員が活動している国際的なトレーニングの教育団体だからです。資格認定者も、トレーナーやインストラクターだけでなく、医師や理学療法士、研究者なども取得されております。資格取得後は、日本だけでなく、世界で認知されているトレーナー資格としての価値がとても高いライセンスなので、資格取得後の活動にも多くのメリットを感じています。このNSCAは、トレーナーの基礎が学ばる教材の出版、資格の認定、そして取得後の会員の教育といったトレーナーを目指す方に役立つ3つの側面があります。

スポーツクラブとの業務委託契約で優位なNSCA

多くのパーソナルトレーナーの方は、いきなり独立する方は少なく、まず雇用されるか?スポーツクラブと業務委託契約をして活動する方が多いと思います。しかし、パーソナルトレーナーとして契約する上で求められるのが、各種トレーナー団体の認定資格及び、指導者賠償責任保険の加入です。

ジム運営側からすると、会員の怪我やクレームのリスクを避ける為、一定の基準が求められます。資格取得者は、トレーナーとしての最低限の知識やスキルがあるか?の証明書です。これがないと専門学校や体育系の大学を卒業していても、パーソナルトレーナーの契約も難しいと思います。

NSCAは、世界で最も知られたトレーナのライセンスなので、各スポーツクラブ、パーソナルトレーニングジムの認める認定資格に入っており、この資格を元に契約してもらいやすくなります。また資格取得者には、指導者賠償責任保険の加入が認められ、年間1万円程度でクライアントに怪我を負わせてしまった際のリスク管理ができるので、セッション中のイレギュラーな事故に保険が適用されます。

他にも、筆記試験や実技試験、また面談時のコミュニケーション能力をテストして採用を決める大手スポーツクラブも多いと聞きます。このような試験でも、NSCAの試験に合格できるくらいの知識があれば、筆記試験や基本スキルのテストにも、合格しやすいと思います。この点は将来パーソナルジムを開業する際にも同じです。最近ではトレーナー系の情報サイトや雑誌でも資格の紹介なども多いため、NSCAの認知度は高まっており、信頼性が高い資格になってきています。NSCAより取得しやすい資格もあるかもしれませんが、中長期的に考えると最初からしっかり世界標準のトレーニングを学び、NSCAの資格で合格し、認定を受けた上で活動された方が一生の仕事として取り組む方にとっては、間違いないと考えられます。

一発受験でき、資格取得までの費用を抑えられる

パーソナルトレーナーの資格も、現在では様々な団体があります。その多くが、トレーナーの団体で数十万円の講習を受け、試験を受ける方もいらっしゃいます。そうなると、現実的に講習を受けられない方も多いのが分かりました。NSCAは、講習会を受けなくても、下記の条件で概ね一発受験できます。

NSCAには、CPTとCSCSという2種類の資格があります。CPTという資格は高卒以上で受験ができ、一般の方からアスリートまで指導できるカリキュラム。これに対して、CSCSはアスリートのトレーニングに特化したカリキュラムであり、大学やそれに準じた4年間のは高度専門士の称号の保持者が条件になっております。これを考えるとまずお勧めしやすいのが、CPTです。CPTは、高校卒業していれば受験ができますし、CPTとCSCSを両方取得した私が感じるのはCSCSよりもCPTの方が難易度は低いからです。CSCSは、アスリートに特化した専門的な知識もかなりのボリュームで学ぶ必要があり、一般のクライアントを対象にしたパーソナルトレーニング指導であれば、CPTの勉強でも十分対応できます。

NSCAの受験対策も、NSCAが団体として試験対策講座を開催されており、またそのコンテンツをNSCAの月額1,000円程度の年間会員になれば、有料で動画を購入できます。また資格取得前にも、NSCA主催のトレーニングのセミナーへ参加できます。実技などはテキストだけだと理解できないことも多いと思いますが、比較的に安価で単発セミナーを受けることもできます。

このように現在では、豊富な試験対策のテキストやDVDも販売されているので、どなたでも自宅で独学が可能です。私も、今まで独学でCPTを合格した方に、何人もお会いしてきました。自分がトレーナーに合うのか?適性も分からず、専門学校などに入学される方も多いのですが、まずはこれからご紹介するNSCA公式のテキストを購入されて、独学で受験対策の勉強されるのも手だとは思います。 私はパーソナルトレーナーと同時に、整体院の経営をはじめて15年目になりますが、多くの整体院の経営をしている仲間の先生方にも、この資格をお勧めしました。その方々も、独学でNSCA-CPTの試験に合格できました。

ある程度、筋肉や運動に関しての知識があるインストラクターや治療家であれば、独学でも試験対策は十分にできると思います。もしそういった運動や体についての知見が全くない方でNSCAの受験勉強を始める方も、最近では筋肉やエクササイズの名前をネットで検索すれば、すぐに知ることができるようになり、学習しやすい環境になってきています。

ここ数年はパーソナルトレーナーの需要もどんどん増えており、ネットにもNSCAの試験対策の記事や動画も多いので、それらを参考にまずはテキストを読みながら、NSCAのガイドラインどおりのエクササイズを実際に行ってみることをお勧めします。NSCAはアメリカの団体で訴訟のケースにも対応できるような厳しいガイドラインです。日本では日常的に行われるトレーニングの方法も、細かい点ではNGだったりするので、NSCAの試験に合格するには、NSCAのガイドラインを徹底的に覚える必要があります。これは、日本でのトレーニング指導でクレームを避ける為にも必要な知識です。

現在、NSCAのテキストも電子書籍に対応され、テキスト内のエクササイズも動画で見ることができます。また最近では、NSCAから出版されているトレ検1級から3級問題集というものもあり、トレーニングに興味を持った高校生ぐらいから勉強できるようなトレーニングのクイズ形式の問題集があります。初心者はここから始めるのもいいかもしれません。NSCAの試験はNSCAジャパンの公式サイトをご覧になると各地域で受験できるのが分かります。受験して、不合格の方でも90日以上経てば、再受験でき、複数回の受験を経て合格する方もいます。

試験を実際に受けられると問題が出やすい傾向が分かるので、間隔を空けないで受験した方が合格しやすいと聞きます。受験費用は2020年の現在は、46,000円(税込)です。合格までの道のりはありますが、トレーナーとして必要最低限の知識を身につける為にも最適な資格で、スクールや講習会に通わなくても努力次第で合格できるので、コスパがいい資格です。

このように、ノウハウを知れば、地方の方でも独学でも学べることはご理解頂けたかと思います。しかし、どうしても、独学だけで受験勉強する自信がないという方も多いと思います。そのような方は、ネット検索でNSCAの試験対策のセミナーやコンサルティングサービス、短期スクールなども多いので、リサーチすることができます。

トップアスリートまでの指導に活用しやすい膨大な知識が学べる

NSCAは、CPTとCSCSというライセンスがあることは前述のとおりですが、CPTの取得でもアスリートの指導ができるような膨大な知識を得ることが可能です。毎月会員に送られてくるジャーナルには、研究者がアスリートのトレーニングについての文献を書いており、それを読むことができます。私自身、アスリートや大学の運動部の指導にも関わってきました。これは、一般のクライアントのパーソナルトレーニングの宣伝や指導にも優位に働くと感じています。

十数年間、トレーナーの業界を見てきて感じるのは、一般の方は「どんなクライアントの指導実績があるのか?」ということを知りたいはずです。その際に、トップ選手やスポーツの強豪校を指導してきたというのは大きなアピールに繋がります。私のケースでも「大学のレスリング部やボクシング部のトレーナー、格闘技のチャンピオンを指導してきたトレーナー」という実績から、個人のクライアントの集客やチームの契約につながることも多いと感じています。そういった意味でも、NSCAはパーソナルトレーナーの資格の中でも、スポーツ選手に対応できるリソースや、スポーツ指導者やスポーツ選手にもある程度知られているので、契約にもつながりやすく、パーソナルトレーニングをする上での自分の強みにすることも可能です。

アスリートは試合結果を求める人達なので、緻密なトレーニングのプログラムが作れないと結果を出し続けることはできません。その為、スポーツの現場では、NSCAの提供しているような流行り廃りのない運動生理学やエクササイズの知識、食事やサプリメントの摂取、体重管理ができないと対応できません。またトレーニングの知識があることで、契約先の監督やコーチ、選手にもご納得頂けるようなスポーツに特異的なトレーニングプログラムを提案できるようになります。ある意味で一般の方よりも、スポーツ選手の方の指導は、試合の結果がシビアに出るので大変です。   

最近では、アスリートまでとは言わなくても、ランニング・テニス・ゴルフなどのスポーツ愛好家が増えてきていると思います。そのようなスポーツ愛好家にも、アスリートのパフォーマンスを向上してきた実績は、大きなアピールになるのではないでしょうか?アスリートの筋トレの指導でも、NSCAのトレーニングセミナーに参加すると感じるのは、ハングクリーンなどスポーツに必要なパワー系の種目があります。スポーツには、スピードやパワーが多く求められますが、一般のパーソナルトレーナーはこのような瞬発的な動作の指導まではなかなかできません。パワー系トレーニングの種目も、メディシンボールなどスポーツ愛好家に対応できる方法もあります。年代別の競技能力を向上させることができれば、日本自体のスポーツの市場が伸びると予測されていることから、今後さらにNSCAの知識やスキルを活かせるニーズはさらに増えてくると推測されます。

カンファレンスやセミナーが多く、資格取得後もスキルアップや人脈作りができる

NSCAは年1回、全国規模の大きなカンファレンスがあります。ここでは、国内外の研究者やオリンピックなどの選手、指導者の方々がシンポジストとして講演され、私達現場のトレーナーにとって、最新の情報を得ることができます。また、その際には希望者のみ大きな会場で交流会もあり、全国からの参加者や有名なシンポジストの方々とも歓談することが可能です。私も、カンファレンスやセミナーには、定期的に積極的に参加し、名刺交換や、普段お話できないような指導者や研究者の方にトレーニングや栄養学などについてご質問させて頂くことがあります。このような国際的に活躍されている先生方からの情報は、パーソナルトレーニング指導で希少性が高く有効活用できる貴重な場となります。

私のケースをご紹介します。アメリカから来日されたある大学教授はアメリカの軍隊のトレーニングメニューを監修されている凄い先生でした。交流会に参加し「10歳の長女がレスリングをしていますが、バーベルを使ったバックスクワットは身長が伸びなくなるなどの問題はないのでしょうか?」とご質問させて頂きました。「日本では子供の頃から筋トレをすると身長が伸びなくなるなどと言われているようですが、そのようなエビデンスはないです。私は10歳からウエイトトレーニングをしているが身長は190cmありますよ」とフランクにご指導頂きました。

このような機会があるのは、NSCAという世界的なトレーニングの教育団体ならではのメリットです。NSCAに限らず、トレーナーの資格の活用は自分次第です。残念ながら、資格のコネクターになり、仕事にはつながらないと言うお話も、よく聞きます。また逆に資格がなくても、実力次第で稼いでいるトレーナーもいます。要は、自分次第ですが、基礎基本になる知識やスキルを身につけ、資格取得やその後も継続的に情報をアップデートできる国際的な団体としてNSCAはお勧めです。

私自身は整体院の経営。エニタイムフィットネスでのパーソナルトレーニング指導、県立高校や大学のトレーナー、トレーナーの専門学校の講師業など、多くの収入の柱を持つようにしています。そのような様々な仕事に対応させて頂く為にも、NSCAからの情報はかなり利用させて頂いております。トレーナーの業界に参入するには、この記事を読まれている方の中にも、体育大学やトレーナーの専門学校を卒業しない業界で生き残るのは難しいのでは?と感じられている方も多いと思います。しかし、現実には学校の卒業者だけが残ってるわけでありません。

NSCA公式サイトを参照すると2018年の合格率が、CPTが75.2%、CSCSは48.7%です。決して、楽に合格できる試験ではありません。しかし、私が取得した10数年前よりも試験対策の情報が多いので、合格しやすくはなってきています。筋トレも、You Tube動画などで無料で観ることもできる時代になってきています。そこで、まず国際ライセンスであるNSCAの資格や同等の資格取得の学習をしてきた人は、一定の勉強量をやり遂げた方々なので、やはり厳しい世界で生き残りやすいと感じています。これから本気でパーソナルトレーナー業界に入りたい方や今後、スキルや知識をアップデートしながら活躍されたい方の参考になれば幸いです。

パーソナルトレーナー養成スクールで資格を最短取得

NSCAやNESTAなどパーソナルトレーナー向けの資格を取得するには独学かスクールに通うか、2つの選択肢があります。機能解剖学や運動生理学などの基本知識があれば独学でも合格は目指せる範囲だと思いますが、基本知識に自信のない方は、スクールへ通うことをオススメします。また、スクールに通うことで、基本的な知識はもちろん、実践的な実技(トレーニング指導)を習得できたり、就職支援が受けられたり、卒業生のコミュニティができたりと資格取得以外のメリットがとても多いため、独学の人よりも何かと有利です。

個別指導であれば、最短2ヶ月で取得することもできます。最近では多くのスクールがあり選定が難しいため、ここでは厳選したオススメのスクールを幾つかご紹介します。個別指導なのか集団授業なのか、オンラインに対応しているのか、講師はどんな人なのかなどご自身に合ったスクールを探して、まずは資料請求をしてみてはいかがでしょうか?

>>おすすめのパーソナルトレーナー養成スクールまとめ

 

▼ライター
根本大(Dai Nemoto)
生年月日:1971年7月20日
国際武道大学時代は少林寺拳法部として活動。大手警備会社社員として勤務。
2006年に脱サラ後1年で神奈川県川崎市向ヶ丘遊園・登戸駅に「ねもと整体&ストレッチスタジオ」を開業。パーソナルトレーナーとしても活動し、現在エニタイムフィットネス向ヶ丘遊園店と登戸店でもパーソナルトレーニング指導を行う。慢性的な腰痛肩こりなどの根本的な改善からアスリートパフォーマンス向上まで幅広く対応。 有限会社ディーエスシーエスとして法人化し、整体師やパーソナルトレーナーの現場で使えるテクニックのマンツーマン指導や開業支援コンサルティングとしても活動している。
▼資格
・関節ニュートラル整体普及協会 S Sランク
・健康運動指導士
・全米ストレングス&コンディショニング協会認定(NSCA)ストレングス&コンディショニング スペシャリスト(CSCS)

・NSCAパーソナルトレーナー(CPT)
・特定非営利活動法人 日本SAQ協会認定レベル2インストラクター