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NASMの資格についてまとめてみた

資格

2020.12.14

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今回はアメリカのパーソナルトレーナー資格「NASM」についてまとめました。規模は世界でも最大で人気資格の1つでもあります。資格取得もそこまで難易度は高くないので、これからトレーナーを目指す一般の方、もしくは学生やインストラクターの方にはお勧めの資格です。今後、パーソナルトレーナーを目指す方の参考になれば幸いです。

NASMとは?

NASMの正式名称は「National Academy of Sports Medicine(全米スポーツ医学協会)」です。NASMはアメリカの団体で、世界95カ国に展開する世界最大のパーソナルトレーナー団体です。NASMの教育プログラムは、世界で約130万人が教育を受けているほどの信頼と人気を得ています。NASMの発行資格である「NASM PES」は、アメリカの理学療法士が作ったということもあり、リハビリテーションからスポーツパフォーマンスの向上まで幅広く知識を身に付けることができます。アスリートから一般人まで、一人ひとりの体に合わせた運動を提供することができます。

NASMが掲げるOPTモデル

NASMで学べるカリキュラムの特徴として、OPTモデル(Optimum Performance Training)というのがあります。これは科学的にかつスポーツ医学に基づく研究のもと開発されました。「安定性」「筋力」「パワー」の3つで構成されたトレーニングを提供することができます。パフォーマンスを向上させるために、柔軟性、コアの安定性、パワー、スピード、敏捷性なども含め、パフォーマンス向上のために必要なあらゆる要素を網羅しています。トレーニングを行う上で、最も大切なことが怪我をさせないこと。また、何らかの怪我の危険性がある場合は、その原因を明確化し改善、そこから運動を行わなければなりません。NASMの科学的根拠に裏付けされたトレーニングシステムは非常に重要なスキルとなります。

認定資格の種類

NASM-CPT(certified personal trainer)
NASMの中で一番のベースとなるライセンスで、NASMの考えが学べるものがCPTとなります。その他のライセンスはそれぞれの専門分野に特化した内容を学ぶ事になります。CPTがベースで他ライセンスが上に乗っかるようなイメージです。パーソナルトレーニングを初めて学ぶ方はCPTを先ず取得し、さらにスキルアップのために、各専門分野のライセンスを学ぶというのが通常の流れになります。NASM-CPTの内容はパーソナルトレーナーの基礎知識を中心に幅広く知識を得ることができます。それに加え、安定性を高める(stabilization)を土台としたNASM独自のトレーニングモデル(OPTモデル)を学ぶ事ができます。この考えから、様々な年齢、体力レベルのクライアントに対し、その方のフェーズに合ったトレーニングを提供するための知識を学習できます。

NASM-GPTS
NASM グループパーソナルトレーニングスペシャリスト(GPTS) は、パーソナルトレーニングとグループフィットネス双方のメリットを活かし、短時間で運動効果を高める方法やスキルを学べます。また、トレーニングの参加者をやる気にさせるために必要なコミュニケーションスキルやコーチングスキルを磨くことができます。

NASM-CES
こちらは機能改善、また怪我のリスクを減らす(予防)ために必要なコレクティブエクササイズを学ぶ内容となります。解剖学や運動機能障害について学び、それを踏まえ、「静的姿勢」「動作」「関節可動域」「筋力」の様々な評価方法を学びます。この評価によりクライアントがどこに不具合を持っているかを探り、改善までのプロセスを学ぶことが出来ます。具体的なプロセスとは、コレクティブ/エクササイズ/コンティニュームとして以下のステップを学びます。
「評価」→「抑制テクニック:セルフ筋膜リリース」→「伸長テクニック:静的ストレッチ、神経筋ストレッチ」→「活性テクニック:筋力強化」→「統合テクニック:統合動的動作」
以上のような内容のため、一般の方から競技者まで広く利用することが出来ます。アメリカのプロバスケットボールチームでは80%以上がチームトレーナーにこの資格を取得させているというデータもあります。ある程度、知識の土台がある方へ向けたライセンスになります。
 
NASM-GFS
こちらはゴルフに特化したライセンスです。ゴルフ特有(例えば肩、肘、腰など)の評価やトレーニング、プログラムデザインについて学びます。ゴルフは老若男女、年齢問わず人気なスポーツで、特に中高年に親しまれています。ゴルフは回旋を伴う動作であり、非常に筋力、柔軟性を必要とします。中には、ゴルフ肘や腰痛、膝痛と障害を抱えながらプレイされている方もいます。長期的にゴルフを楽しんでもらう為に、機能的な動作を提供する知識を学習できます。
 
NASM-PES(Performance Enhancement Specialist)
直訳すると、パフォーマンスを向上させるスペシャリストとなります。この資格を取得することで、腰痛などの痛みを緩和させる機能改善から、スポーツのパフォーマンスアップまで指導することができます。また、動作が改善することで今後起こりうる障害も未然に防ぐことができます。人は常に体全体が連動して1つの動作を完成させます。その際、筋肉は単一で動いているのではなく、たくさんの筋肉が連動しているということです。例えば、腰痛に悩むクライアントがいた場合、腰に注目するのは当然でしょう。しかし、腰痛の方は腰に原因が無いことがほとんどなのです。すなわち、日常的な体の使い方や癖によって、結果的に腰痛になっています。根本原因である「腰に負担をかけない体の使い方」を学び、トレーニングすることで改善されます。このような「体の機能」「動作のメカニズム」を深く学べるのがNASM-PESということです。

資格取得までの流れ

①資格取得の条件
▶︎NASM-CPT
・CPR(心肺蘇生法)のライセンス取得者
・高校卒業以上
・18歳以上

▶︎NASM-GPTS
・どなたでも受験可能
※必須ではありませんが、NASM-CPTを取得されている方の受験推奨。
 
▶︎NASM-CES
※どなたでも可能ですが、次のいずれか1つを持っていることが推奨されます。
・NASM-CPT
・4年生大学学位
・米国NCCA、NBFE、DETCにより認定された団体の資格保有者(AFAA、ACE、ACSM、NESTA、NSCAなど)
 
▶︎ NASM-GFS
・どなたでも受験可能
※必須ではありませんが、NASM-CPTを取得されている方の受験推奨。
 
▶︎NASM-PES
※NASM-PESに関しては、他社(R-body project)にて受講可能です。
下記の条件の1、2のいずれかに該当する方が受験可能です。
1.4年生大学(学部問わず)、または日本のスポーツトレーナー系/医療系専門学校の既卒者、およびその卒業見込み者
2.米NCCA、NBFE、DETCの認定団体(NSCA、ACS、NESTA、ACSM、AFAA)の資格をお持ちの方
 
②学習から試験までオンライン
申し込みが完了したら、いずれのライセンスもテキストとオンラインにて学習していきます。オンラインで学べるので、ネット環境さえあれば、どこでも、いつでも、何度でも、学習が可能となります。自分のペースで学習できるので、仕事などで忙しい人や休みの融通を利かせられない方などは嬉しいポイントです。
 
③試験について
試験もオンライン上で行います。CPT、CES、GFSは全国共通のテストセンターにていつでも受験可能です。PESに関しては、ネット環境があれば自宅でも可能です。また、いずれも申し込み完了後1年以内の受験しかできないので、注意しておきましょう。
 
▶︎NASM-CPT
・CBT四肢択一式100問(120分)
NASM-CPTテキスト「パーソナルフィットネストレーニング」の内容より幅広く出題。
・70点以上で合格
・試験終了後に合否判定が画面上で確認できます。
・合格者には後日、株式会社JAPAN WELLNESS INNOVATIONより認定証の発行について連絡がきます。

▶︎NASM-GPTS
・CBT四肢択一式100問(90分)
・70点以上で合格
・試験終了後に合否判定が画面上で確認できます。
・合格者には後日、株式会社JAPAN WELLNESS INNOVATIONより認定証の発行について連絡がきます。
 
▶NASM-CES
・CBT四肢択一式100問(90分)
・NASM-CESテキスト「コレクティブ・エクササイズ・トレーニング」の内容より幅広く出題。
・70点以上で合格
・試験終了後に合否判定が画面上で確認できます。
・合格者には後日、株式会社JAPAN WELLNESS INNOVATIONより認定証の発行について連絡がきます。
 
▶︎NASM-GFS
・CBT四肢択一式50問(90分)
・NASM-GFSテキスト「ゴルフ・フィットネス・スペシャリスト コースマニュアル」の内容より幅広く出題。
・35点以上で合格
・試験終了後に合否判定が画面上で確認できます。
・合格者には後日、株式会社JAPAN WELLNESS INNOVATIONより認定証の発行についてが連絡きます。
 
▶︎NASM-PES
オンライン試験は100問中70点以上で合格となります。合否の結果はその場で分かります。期間内であれば3回まで受験可能です。合格の場合、2ヶ月以内に米NASMから認定証が郵送されます。

受講料について

▶︎NASM-CPT
・受講料:41,800円(税込)
・認定試験受講料(1回分)も含みます。
・1年間、教材の閲覧が可能
※不合格の場合、再受験料として5,500円がかかります。

▶︎NASM-GPTS
・受講料:41,800円(税込)
・認定試験受講料(1回分)も含みます。
・1年間、教材の閲覧が可能
※不合格の場合、再受験料として5,500円がかかります。

▶︎NASM-CES
・受講料:41,800円(税込)
・認定試験受講料(1回分)も含みます。
・1年間、教材の閲覧が可能
※不合格の場合、再受験料として5,500円がかかります。

▶︎NASM-GFS
・受講料:22,000円(税込)
・認定試験受講料(1回分)も含みます。
・1年間、教材の閲覧が可能
※不合格の場合、再受験料として5,500円がかかります。
 
▶︎NASM-PES
●一般の場合
・費用:132,000円(税込)
●学生割引
・費用:92,400円(税込)
※専門学校、または大学の最終学年の方(卒業見込み者)に限ります。
 
これらに、下記コンテンツが全て料金に含まれます。
・日本語の講義動画サイトへのアクセス権(全16章)(総動画時間17時間)
・講義受講用日本語版テキスト
・試験対策用小テスト(全16章分)
・英語版テキスト(全647ページ)
・NASM Official Siteへのアクセス権(※Exercise Library他)
・日本語版資格試験の受験権利

資格更新

▶︎NASM-CPT
試験に合格するとCPTライセンスが発行されます。発行後2年毎に更新が必要となります。更新料は13,200円(税込)または、株式会社JAPAN WELLNESS INNOVATION主催のWS等で発行される更新ポイント20ポイント(2.0CEU)が必要となります。
※他、ライセンスは更新の必要はありません。

カリキュラム内容

試験内容でもある、カリキュラム内容を一部ご紹介します。
 
▶︎NASM-CPT
1.総合・トレーニングに関する科学的根拠
2.エクササイズの基礎科学
3.心肺系
4.エクササイズの代謝と生体エネルギー
5.人体の動きの科学
6.フィットネス・評価
7.柔軟性トレーニングの概念
8.心肺系のフィットネス・トレーニング
9.体幹トレーニングの概念
10.バランス・トレーニングの概念
11.プライオメトリックトレーニングの概念
12.スピード、敏捷性、機敏性トレーニング
13.レジスタンス・トレーニングの概念
14.評価・プログラム・デザインとオプティマム・パフォーマンス・トレーニング(OPTモデル)
15.様々なエクササイズ器具
16.慢性の健康障害と身体的または機能的制限
17.栄養
18.栄養補助食品
19.ライフスタイルの改善と行動に関するコーチング
20.成功するパーソナルトレーニング事業の発展

▶︎NASM-GPTS
1 章 グループパーソナルトレーニング概論
2 章 基礎科学と応用科学
3 章 グループエクササイズの選択とテクニック
4 章 グループパーソナルトレーニングプログラムのデザイン
5 章 コーチングおよびキューイング
6 章 ビジネスを構築する

▶NASM-PES
第1章 インテグレーテッドトレーニングの概要
第2章 人間運動科学概論
第3章 スポーツパフォーマンステスト
第4章 パフォーマンスアップのための柔軟性トレーニング
第5章 パフォーマンスアップのための心肺持久力トレーニング
第6章 パフォーマンスアップのためのコアトレーニング
第7章 パフォーマンスアップのためのバランストレーニング
第8章 パフォーマンスアップのためのプライオメトリクストレーニング
第9章 パフォーマンスアップのためのSAQトレーニング
第10章 パフォーマンスアップのためのレジスタンストレーニング
第11章 パフォーマンスアップのためのオリンピックリフティング
第12章 ピリオダイゼーションとOPTモデル
第13章 障害予防のコンセプト
第14章 パフォーマンス栄養学
第15章 エルゴジェニックエイド
第16章 パフォーマンス心理学

NASMを取得するメリット

NASMを取得するメリットは2つあります。1つ目は一般の方からスポーツ選手まで指導できる幅広さです。MASMの提供するカリキュラムは、年齢や運動能力に関係なくクライアントが実施できる内容です。パーソナルトレーナーとしてデビューし、現場経験を積む中で「自身の方向性」や「やりたいこと」が見えてきます。民間の資格には、一般の人に特化したものから、アスリートに特化したものまでさまざまです。その点、幅広く指導できるNASMの資格は人を選ばないので、柔軟に活用することができます。2つ目は、現代の方はデスクワークや運動不足から多くの痛みや体の問題を抱えています。その状態でトレーニングを行なった場合、怪我をする可能性が高くなります。クライアントの体を調整し、正しい姿勢や動き方を教えることで、怪我なく安全にトレーニングを実施できます。NASMのコンセプトでもある「動作を鍛える」を取り入れることで、いつまでも健康的で快適な体作りのサポーターとして大いに活躍できるでしょう。

パーソナルトレーナー養成スクールで資格を最短取得

NSCAやNESTAなどパーソナルトレーナー向けの資格を取得するには独学かスクールに通うか、2つの選択肢があります。機能解剖学や運動生理学などの基本知識があれば独学でも合格は目指せる範囲だと思いますが、基本知識に自信のない方は、スクールへ通うことをオススメします。また、スクールに通うことで、基本的な知識はもちろん、実践的な実技(トレーニング指導)を習得できたり、就職支援が受けられたり、卒業生のコミュニティができたりと資格取得以外のメリットがとても多いため、独学の人よりも何かと有利です。

個別指導であれば、最短2ヶ月で取得することもできます。最近では多くのスクールがあり選定が難しいため、ここでは厳選したオススメのスクールを幾つかご紹介します。個別指導なのか集団授業なのか、オンラインに対応しているのか、講師はどんな人なのかなどご自身に合ったスクールを探して、まずは資料請求をしてみてはいかがでしょうか?

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