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筋トレ・整体・リハビリを融合するトレーナー論

寄稿

2020.06.29

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これから日本が超高齢化社会に突入し、パーソナルトレーニングのニーズも大きく変わってくると思います。65歳以上の割合が増える中で、長寿化に眠るビジネスチャンスを考えていくことが大切です。筋トレから体のケアまで幅広く対応できる複数のスキルを持つことで、時代の変化に順応しやすくなる事例をご紹介致します。

高齢化社会で必要とされるパーソナルトレーニング

日本人の平均寿命も伸び続け、今後は高齢者の人口がさらに増えることを考えるとパーソナルトレーニングのあり方も時代とともに変わってくると思います。一昔前は筋トレと言うとボディビルダーかアスリートが行うものといった一般的な認識がありましたが、最近ではメディアやネットの影響で中高齢者に筋トレが推奨されたり、プロテインを飲む一般人が増加、高齢者も本格的なトレーニングに興味を持つ方も増えてきたと思います。パーソナルトレーニングと言うと横文字で高齢者にはまだ馴染みはあまりないかもしれませんが、ネットの影響で高齢者も運動のリテラシーが上がり、パーソナルトレーナーの指導を受けた方が結果が出ると言う期待感から、一昔前と比べると我々トレーナーの仕事も営業しやすい環境になりました。

筋力トレーニングを行うことで健康促進の効果はありますが、間違ったトレーニングは怪我のリスクにつながります。 高齢者は若い年齢層のクライアントと全く違うという認識を元にトレーニング指導をする必要があります。高齢者は、病気を抱えたハイリスクの方もおり、リスク管理をしながら成果を上げていく両極面の対応が求められます。

高齢者が日課のように通院している整形外科もリハビリを行なっていますが、電気治療や部位別のマッサージが中心です。一方、意欲のある高齢者も増えており、より個々に合ったトレーニング効果を求めることから、パーソナルトレーニングを定期的に行うことで、年齢以上に筋肉も若返り、健康を高めたいといった未病へのニーズも高まっています。人生100年時代が近づくにつれ、自助努力が必要な時代になっていくので、より多様なニーズに対応できれば、トレーナーの仕事の幅も広がります。

高齢者運動機能の低下問題

以前、ある文献を見ると高齢者になると女性は3 kg、 男性は6 kg もの筋肉が減少しているということが書かれていました。中高年は筋肉が減少し、日常生活にも影響してしまうケースが多いのです。理由は、労働で筋肉を使う生活様式が減っており、身体活動量がどんどん減少している傾向にあるからです。これにより、生活習慣病や膝痛・腰痛などの関節炎の方が増えています。コロナ自粛によるテレワークの普及もこれに拍車をかけると思います。身体活動量が減ると日常動作にも影響し始めます。「靴下が履けない」「爪が切れない」など機能低下や筋力が低下、歩かないことで運動不足を引き起こし、動脈硬化の方が増え、メタボリックシンドロームや要介護状態であるロコモティブシンドロームの問題なども懸念されています。

このような普遍的な問題に運動療法というのは、医療以上に今後重要になってくると思います。「筋肉も少しずつ刺激を上げていく必要性」から過負荷の原則またはオーバーロードの原則というものがあります。テレビなどのメディアで紹介されているエクササイズ程度だとこれだけの不活動を補いきれないのは明白です。高齢者でも安全面を確保しながら、トレーニング効果が向上できるサービスを提供できれば、健康寿命を伸ばすことが可能です。

トレーニングとリハビリの違い

パーソナルトレーナーの方が、様々な年代を方を指導する場合、経験が少ないインストラクターやトレーナーの方はどうしても中高齢者の体がどれぐらいの強度が適切なのか分からないケースも多いと思います。勉強されている運動指導者の方は、基礎基本に沿って、安全面に配慮したトレーニングを行っています。しかし、現場で起こっている事故は、クライアントやトレーナー側の気の緩みで一瞬で起こります。また対象者に合わないトレーニングエラーから怪我や障害が起こることもあります。

例えば、肩が痛いクライアントに対して、医学の知見がないとかえって悪化させてしまうケースがあります。20代・30代だと、周りに経験した人が少ない「五十肩」。どれぐらいの期間でよくなるのか?トレーニングで改善するのか?など経験がないことで、対応が難しいと思います。五十肩は、急性痛ですから、慢性期に入るまでに肩のストレッチや筋トレをしたら悪化する可能性すらあります。パーソナルトレーナーとして、過去にストレッチや筋トレをして肩こりが良くなったケースがあったとしても、肩こりと五十肩は別物で、急性痛と慢性痛では全く対応が変わってきます。つまり運動指導でも、事前に多くのリスクを勉強し、症状に合わせて運動処方していく必要があると思います。

パーソナルトレーニングを行う際に、 迷うのは肩が痛いと言ってもどのような状態なのか?トレーニングをするべきか?リハビリをするべきか?安静にすべきか?正しい選択が必要になります。現場で多いケースでは、トレーナー側が感覚的にトレーニング指導することによって、かえって痛くなってしまうような事例です。人の体は一人一人違うことをよく認識し、イレギュラーの事態でも危機感を持った対応ができるように意識を持つことが大切だと思います。 クライアントと密度の高いコミュニケーションを取りクライアントの状態を正しく把握し、 ケースバイケースで医療機関に紹介することも必要だと思います。医療機関への紹介状も用意しておき、必要ならクライアントにお渡しして、医療機関での診断をお勧めすることもあります。

その後に、医療機関からも診断結果を通知して頂けるので、症状の把握や対応も、クライアントに寄り添った形で行えます。私が常に意識しているのは、痛みがある場合は関節もできるだけ少ない角度から徐々に動かしていくことです。関節の可動域を少なくすることで、無理なくリハビリを行うことができ、慣れてきたら徐々に可動範囲を広げていきます。違和感が消失してから中負荷、そして高負荷トレーニングに切り替えていきます。リハビリの段階で、いきなり関節可動域をフルレンジで行い、逆に痛くなってしまったと言うケースも多いことから、念には念を入れて可動域を狭いところから動かしていける指導をするべきだと思います。 

トレーニング前後にも、コンディショニングを行うと付加価値になる

私のパーソナルトレーニング指導の経験ですが、ある50代の女性で膝痛や腰痛を抱えているクライアントの方が毎週セッションを受けて頂いています。 しかし、セッション前にコンディションを聞くと、腰に痛みがあったり、首が違和感があったりといったケースが多々ありました。時には事前にメールで「今日は腰が痛いのでパーソナルをどうしようか迷っています」とご相談を頂くことも、、、日頃から整体院での施術を行なっているので「先に体を調整してからトレーニングしましょう」と、パーソナルトレーニング前にも整体で痛みを軽減させて頂いてから、トレーニング指導をさせていただくことがあります。

中高年の方のトレーニング指導では、このようなケースもあるわけですが、整体の手技を日頃から行なっているので円滑に対応ができ、クライアントからも喜ばれるシーンです。もし、私が整体の手技ができなければ、当日キャンセルが何度あったことか分かりません。そのような機会損失を減らせることも、コンディショニングの技術を持ち合わせていると役立ちます。最近では、トレーナー業界に参入してくる方も、あん摩、鍼灸、柔道整復師、理学療法士、カイロプラクターなど治療系の方も増えてきています。

フィットネスクラブなどで手技自体が禁止されている施設もありますが、クライアントの利益になれば、手技も自由にできる施設も多くあります。安全性を重視した対応をしなければいけない技術ですが、トレーニング指導と体の調整が両方できるスペシャリストというのは、業界でもまだ少ないので、調整できるテクニックを身につけておくと、差別化できる強みになると思います。

年齢による衰えにも対応できるパーソナルトレーニングとは?

私の所にも、最近はボディメイク系でパーソナルトレーニングをしている方から、年齢とともに肉体勝負がいつまでも続かないので、「将来を考えてコンディショニングの技術を身につけたい」という相談をよく受けます。そのような方には私自身の経験から、筋トレだけではなく、体の調整ができるテクニックを早く身につけておくべきだとお伝えしています。 トレーナーも、年齢とともに筋肉が衰えて来た時でも、知識やコミュニケーション能力、卓越した技術があれば、息が長い仕事として業界で働けると思います。年齢性別に関係なく、力が要らずに継続できる手技の技術は、衰えることが少なく、歳とともに円熟味が増す可能性があります。

世の中で「先生」と言われるポジションにいる方は、経験に裏打ちされたスキルやコミュニケーション力で年齢を重ねて信頼される可能性もあります。一般に先生と言われる立場の専門職はある程度の社会経験を持っている方が有利だと思います。誰しも、年齢を重ねることで衰えていくものがあります。しかし、年齢の衰えが関係ない技術もあるので、中長期的に仕事をされたい方は余裕がある時期から準備をしておく必要があります。真似されない技術というのは、短期的に習得できるものではなく、学ぶ期間が一般的に長いと思います。その為、常に年齢による衰えを考えて、スキルアップが肝要です。

ベット一つで開業できる整体院店舗

私が整体院を開業して15年目になりますが、腕一つ、ベット一つで開業できるのが魅力だと思います。パーソナルトレーニングジムだと、トレーニング器具やスペースがある程度必要ですが、施療院の場合のベット一つなので最初の店舗は7畳ほどの本当に狭いスペースで開業しました。今回のコロナ自粛で、店舗経営をしている立場としては、固定費が安いことは収入が途絶えることを考えるとリスクヘッジとしてはよかったと感じています。

整体院の場合は、パーソナルジムよりも、出店エリアの範囲が広く、立地的な面でも敷居が低いと思います。パーソナルジムの場合は、高額なため、ある程度の富裕層エリアに出店する必要があり、どうしても出店エリアが限定されがちです。

治療系の同業のケースで言うと、自宅の一室でしかも地方の住宅街で経営していても、安定した収益を上げている人も多いです。そして、 売り上げが安定して、スタッフを雇用する段階でもベットを一台増やせばいいだけなのでリスクは少ないと思います。もう一つ私が感じているのは、パーソナルトレーニングジムに比べて、施療院系の方がサービスとして認知されているということも感じています。中高年の方が始めてご来店される際に、一般的に腰痛や肩こりで悩んでいることが多いので、サービス内容が知られており、安定的に集客がしやすいと思います。

コロナ不況を乗り越える為に複数のスキルを

コロナの影響で、フィットネスクラブやダンス、テニススクールなど廃業や倒産という話を耳にします。今もなお、外出を控える方が多く、多人数の(密集・密接・密閉)が避けられている傾向が続いています。店舗経営も、状況が深刻になる前に、収入の柱を複数持ったり、高齢化社会を見据えたお困り事を解決できるビジネスモデルが根強いと思います。単に資格マニアになれ!と言ってるのではなく、アンテナを張って、学べるチャンスがあるなら後はコツコツと学びながら、キャッシュを得られるような感覚があると気持ちが楽になると思います。

AIに仕事が奪われていく時代にどんな職業が継続できるのか?以前こんなテレビ番組がありました。真っ先に紹介されたのは「高度なマッサージ」でした。「単なるマッサージ」はAIが行い、人間が見立て、緻密に手作業をするような繊細な技術は職業として残ると言うことだと思います。パーソナルトレーニングやヨガもYouTubeやZoomなどで人が直接指導しなくても、ある程度の結果が出せることが分かり、フィットネスもオンライン化に進んでいくと思います。

私は、時間がある時期に無為無策ではなく、時流を見据え、複数のスキルを掛け合わせることが大切だと考えています。世界情勢や運動への価値観が変わった際にも、進化しながら、この仕事で生き抜いていける骨太のトレーナーを目指していきます。

最後に

私が16年間学び、自分の生活の糧の中心になっている関節ニュートラル整体と言う手技をご紹介します。関節ニュートラル整体普及協会会長の及川雅登先生は、著書15冊、DVD 10枚 治療歴40年と言う師匠がいます。及川先生は、20年以上運営されている治療家・トレーナーの為の技術セミナーを日曜日(第1・第2・第3週)に開催されております。全国から開業を目的とした方々が集まり、セミナー終了後にも仲間とともに、日大レスリング部の合宿所に出向き、選手のコンディショニングをしながら、現場で使える技術を学んできました。毎年新潟の十日町で日大レスリング部のトレーナーとして帯同し、選手のケア技術研修を行い、私も16年参加してスキルアップをしてきました。

もし、新しい技術を身に付けて、生涯の手に職を身に付けたい方がいましたら「関節ニュートラル整体普及協会」のサイトをご覧ください。国家資格取得者・未経験者・パーソナルトレーナー・テニスコーチなど様々な方が東京の水道橋で切磋琢磨しております。他にも、医療系の専門学校に通う学費や時間がない方でも、治療系の手技を学べる勉強会は全国で行われていると思います。その際に私がお勧めするセミナーやスクール選びは、運動とその手技の技術がリンクしているか?といった点です。手技と言っても、リラクゼーション的なものも多いです。やはりトレーナーのお仕事をされている方には筋トレ、ストレッチなど関節や筋肉の運動の機能改善を促すような技術体系を学んだ方が相性がいいと思います。また、高齢者に対応できるか?など超高齢化社会に対応できる最先端のテクニックかどうか?という点も、重要です。

パーソナルトレーニングや運動指導をされてきた方は、手技へのシフトしやすい資質があると思います。トレーニング指導に必要な生理学や解剖学は治療系のスクールやセミナーでも学科に必要な知識ですが、運動に関わってきた皆さんはすでに学んでいたり、興味をお持ちの方ばかりだと思います。また、クライアントへの接客で身についたホスピタリティーも身についている方が多いです。


今まで大きな施設でトレーニング指導されていた方や立派なトレーニング器具が揃っている施設を経営されていた方でも、今回のコロナで、次のリスタートに対して大きな融資を受けて独立のリスクというのも、また災害や感染症が流行したら・・・とメンタルブロックが強くなる傾向があると思います。そのような時代だからこそ「腕一つで好きな場所と時間で働け、少資本で始められる」体の専門家が増えることになればと、そんな思いに馳せながら、パーソナルトレーニング・整体・リハビリなどの技術との融合論を書かせていただきました。これから日本経済が大きな不況に突入していくのは覚悟しなければいけませんが、多くのフィットネス従事者にとって、この不況期を生き抜くことが大きなテーマになることが予想されるため、少しでもこの記事が皆様の一助になれば幸いです。

 

▼ライター
根本大(Dai Nemoto)
生年月日:1971年7月20日
国際武道大学時代は少林寺拳法部として活動。大手警備会社社員として勤務。
2006年に脱サラ後1年で神奈川県川崎市向ヶ丘遊園・登戸駅に「ねもと整体&ストレッチスタジオ」を開業。パーソナルトレーナーとしても活動し、現在エニタイムフィットネス向ヶ丘遊園店と登戸店でもパーソナルトレーニング指導を行う。慢性的な腰痛肩こりなどの根本的な改善からアスリートパフォーマンス向上まで幅広く対応。 有限会社ディーエスシーエスとして法人化し、整体師やパーソナルトレーナーの現場で使えるテクニックのマンツーマン指導や開業支援コンサルティングとしても活動している。
▼資格
・関節ニュートラル整体普及協会 S Sランク
・健康運動指導士
・全米ストレングス&コンディショニング協会認定(NSCA)ストレングス&コンディショニング スペシャリスト(CSCS)

・NSCAパーソナルトレーナー(CPT)
・特定非営利活動法人 日本SAQ協会認定レベル2インストラクター

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