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「パーソナル指導」と「グループ指導」。ハイブリッドという働きかたのメリット

寄稿

2020.04.13

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こんにちは。フィットネス作家の鎌田安奈です。インストラクター・パーソナルトレーナーとしても活動中。今回は、フィットネス業界で縦横無尽に活動する手段のして「ハイブリッド・インストラクター」という働き方をご案内します。

ハイブリッド・インストラクターとは?

一言で、うーんとざっくりまとめて言うと「パーソナル指導」と「グループ指導」が両方出来るインストラクターということになります。わかりやすいイメージでいうと「スタジオでレッスン」と「パーソナルトレーニング」の両方が出来るといった感じですね。
 
私的には2007年頃からこのハイブリッドな働き方を始めました。
それまででも、そういった働き方をされていた先生がたはいらっしゃいましたし、現在もそういった働き方をされている方は大勢いらっしゃいます。
どちらも専門的な仕事ですし、「片手間にできるもんじゃない」とお怒りになられる人もいらっしゃいますが、「グループ指導」しかできない、「パーソナル指導しかできない」よりは、どちらもできるほうがチャンスは多くめぐってくるのではないでしょうか。

ハイブリッドという働き方の利点

その1:仕事のチャンスが多くなる①
求人を見ていて、このページにたどり着いたあなたなら、「良い仕事」のチャンスは見逃せませんよね?「インストラクター募集」ならインストラクター志望、「パーソナルトレーナー募集」ならトレーナー志望の人が応募します。ハイブリッドな能力があれば、そのどちらにも応募できる。つまり仕事を得るチャンスは2倍になります。本音を言うと、自分としては、どちらをやりたい・・・ということは各々おありかと思います。しかし、採用されないことには話が始まらないということも現実です。
そして、採用されたのちにもチャンスはあります。トレーナーで入ったが、空き(待ち時間)時間にレッスンもやらないか?インストラクターで入ったが、希望者がいればパーソナル指導もお願いできないか?それはすなわち、収入源が複数できるということであり、 「それは私はできないので…」という機会損失が少なくなります。
小規模ジムであれば、どちらもできる人材はより重宝されます。パーソナルジムにとっても、グループレッスンは施設の隙間時間を埋めたり、イベントを行う、クライアントの要望で出張指導に行くなど手持ちの武器が増えるのとイコールなのですから。
 
 
その2:仕事のチャンスが多くなる②
トレーナーを目指したきっかけや憧れが、スポーツチームのトレーナーになりたい、という方も多いと思います。チームに着きたい。そんな時、「マンツーマンのセッションしかできません」は大変な機会損失です。テーピングをまくのはマンツーマンでないとできませんが、チーム全体のトレーニングやコンディショニングを任されるには、ある程度の人数を「せーの」で動かせる技量が必要になります。そんな時、グループ指導の技術があれば、何十人でも、百人単位でも1時間や2時間程度、一斉にやらせることが可能となります。また、大人数のチームを一斉にうごかせる技量があれば、種目を問わず、子どものチームから大人、プロ、お年寄りまで指導できる範囲がぐんと広がります。雨の日など悪天候の時の屋外競技のチームのトレーニングにも応用が利きます。最初からグループ指導を目指していると、なかなかアスリート寄りの仕事に巡り合うチャンスが多くないので、トレーナーの勉強もグループ指導の勉強もしている人はそう言った方面にも目を向けてはいかがでしょうか。
 
 
その3:お客様との出会いが多くなる
グループ指導においては、1回に接するお客様の数が何十人という単位になります。それを毎回繰り返せば、出会うお客様の数はのべ何百人何千人という膨大な人数になります。そして、「先生」ですからお客様からは「知ってる人」「信頼できる人」という立場を既に確保していることになります。
ザイアンスの法則(単純接触効果)(*)においても、繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果があるとされていますから、同じ「パーソナル指導」という商品を買うのであれば、好感を持っている知ってる人から買う、という話になりやすいことは確かです。
(*)ザイアンスの法則とは、知らない人に対しては攻撃的な態度をとる・接触回数が多いほど親しみを感じる・相手の人間的な側面が見えると感情が深まるなどの心情を示すものです。ビジネス心理学参照
 
グループレッスンでは、定期教室など特定の同じメンバーが集まる形態と、毎回誰が入ってもいい不特定多数の対象とした形態があります。運動をあまりしたことがない、運動は得意ではないが健康のために仕方なく始めたという人が、いきなりパーソナル(有料)に申し込んでくることはそう多くありません。クラブへ入会すらままならない人たちは、500円玉程度を握りしめて、公共施設の当日参加教室の門をたたきます。
つまり、フィットネス人口は3%と言われて久しいですが、そこに入れない97%のひと(潜在客、見込み客)と出会うなら、そういった施設のグループレッスンは出会いのチャンスなのです。
(お客さんとして潜り込み、声かけする手もないではないですが、ナンパ行為とみなされて、出入り禁止になっても当方はあずかり知らぬことですので悪しからず。笑)
 
その4:お客様との関係が密になる
パーソナル指導においては、1回に接するお客様の数は一人です。マンツーマン指導ですから、より「深く」「密に」お客様の事を知り、またこちらの人となりも知っていただくことになります。多くのレッスン参加料はお客様がクラブに支払う会費の中に含まれており、都度払いは回数券制のスタジオやイベントや特別なレッスン以外で発生することはないですが、パーソナル指導は基本的に「有料」です。
「あなたのために指導します」⇔「そのために別料金をお支払いします」の関係が成り立ちます。人は、価値を感じればそこにお金を払いますし、払った金額なりの価値をそこに見出そうとします。うーんとまとめてざっくりいうと、お金を払うほど密な関係が生じるのです。誤解を恐れずにいえば、貢いだ額の多い女ほど別れがたい…といったところです。
 
その5:リスクヘッジができる①
インストラクター、トレーナーともに「身体が資本」です。特にインストラクターはその傾向が顕著です。つまり、自分の身体が商売道具ですので、病気やケガをしたら働けなくなるリスクがあります。捻挫した、程度であっても、飛べない走れない踊れないということになれば、レッスンを休まなければなりません。その回復に時間がかかればかかるほど、「仕事ができない状態」が続きます。下手をすれば、そのまま引退という悲しい事態も待っています。そんな時、パーソナル指導セッションが少しでもあったなら、かなり助かると思いませんか?トレーナーも身体が資本であることには変わりありませんが、スタジオレッスンほど、自らが率先して動き続けるということはありません。お客様にやっていただくことが大事なので、手や足が折れていても、口頭で指導することは不可能ではありません。
昨今ブレイクしてきたオンライン指導も、グループレッスンよりはパーソナル指導向きアイテムです。そうなれば、距離間は関係ないので、地球の裏側からでもセッション出来ますし、動画としてお渡しすることで時間も関係なくなります。カメラに向かって指導する、という別の技術は多少練習が必要ですが、リアルタイムで行えばテレビ電話、ですのでさほど難しいものではないでしょう。
(もちろん、少人数でのオンライングループレッスンは可能です。大人数でのライブ感は、やはりリアルがいいように私は思いますが、これからの時代はリアル+オンラインでのライブ中継なども盛り上がるのかもしれませんね。)
 
その6:リスクヘッジができる②
パーソナル指導においては、1回に接するお客様の数は一人です。マンツーマン指導ですから、万が一そのお客様がキャンセルされると、その時間はパアになります。
もちろんいつもキャンセル待ちのお客様がいるような売れっ子であれば、問題ありません。キャンセル料を頂戴するという手もあります。しかしながら、多くの人のいいトレーナーさんはそのキャンセル料も頂いていない…ということがあるようです。何が何でも約束したセッションには必ず来てくださる律儀なお客様ばかりならよいのですが、そこは人ですから、風邪をひいたり、突発的な用事ができたり、はたまた転勤…などといった事態も起こりえます。
そもそも、パーソナルトレーナーの契約は、一般的なフィットネスクラブにおいてセッション以外の時間帯は何時間ジムにいても何のお金も発生しない…という方も少なくないでしょう。滞在時間すべてがお客様で埋まれば万々歳ですが、最初からその状態になるということはかなり難しいのではありませんか?
つまり、ご予約が取れなければ、何時間そこにいても「タダ働き」という事態(これをきれいに言い換えると「トレーナー営業」といい、当たり前であるという見方もできます。完全歩合制の営業と同じですね。声をかけて断られながら、そこを乗り越えだんだん固定のお客様がついてきて、一人前になっていく…トレーナー成長物語です。
 
しかし、ドライな見方をすれば
もし、同じクラブ内でグループ指導も行っていたなら、一人一人に声をかけて、「初めまして」→「パーソナルトレーナーの○○です」という『知ってもらうための儀式』をすっ飛ばすことが可能になります。同じ「初めまして」でも、何十人に一辺に言える。その中には何人もの「見込み客」様が潜在しているかもしれません。マンツーマン営業で巡り合う時間を短縮できるのはハイブリッドのうまみと言えるでしょう。
 
その7:指導能力・経験値が高まる
冒頭に、どちらも専門的な仕事ですし、「片手間にできるもんじゃない」とお怒りになられる方もいらっしゃいます、と述べました。まさにその通りです。いわゆる、人の身体を扱うというところでは、スタートの時点では共通のことを学んでいきますが、その後の専門分野においては全く違うことを学ぶことになります。ハイブリッドになるということは、その両方を勉強し、実践し、お客様からフィードバックを得て、さらに勉強を重ねていくということにほかなりません。それぞれのいいところ、足りないところ、得意なこと、苦手なことを脳内変換しながら「より良いものをお客様に提供するプロフェッショナル」として、また「それぞれを極めた達人とつなぐ橋渡し役」として、日々研鑽することになります。同じことを習っても、「これをグループでやるならどうするか?」「パッシブなテクニックをセルフでアクティブに持っていくならどうするか?」「この動きをより○○なトレーニングに応用するならどうするか?」など、脳内を縦横無尽に神経細胞が検索し、新たな学びを構築していきます。まさに『一粒で二度おいしい』です。トレーナとして学んだ解剖学的な内容や手技的なテクニックを、わかりやすく簡単に大人数が自分でできるようにアレンジして指導したり、大人数で行うコリオグラフィーを個人の体力レベルや要望に合わせてその人だけのために指導する…など、ネタは尽きることがありません。
 
あまり、あってはいけないことですが、突発的な代行に対応できる…といった強みもあります。私も過去、数度トレーナーとして入っていたクラブで、インストラクターが突発的に来られなくなった、どうしても代行が見つからないなどで替わりにレッスンを担当したことがあります。そしてその後、顔見知りになった会員さんがパーソナルを受けてくれたという嬉しい循環もありました。また、これもあまりあってほしくないことですが、
レッスン中に(私はトレーナーとして、ジムをウロウロしてました)ケガをされたお客様が出て、たまたまその時のスタッフは全員学生バイトで、応急手当をしたことも。
捻挫と思われる症状で、どうしても救急車は嫌だとおっしゃるので、ご自宅が近所ということもあり、帰れるだけのテーピングを施し、帰宅後医者に行ってもらったという流れで。幸い処置がよかった(とドクターに言われたと後日クラブに報告があったそうです、いや自慢でも何でもないよ。)ので、大事には至らずでした。


まとめ

最後の代行や応急処置の話は、あくまでも一例ですが、この世界で生きていこうと思うのであれば、生き抜けるだけの勉強やテクニック、そして気概は欲しいところです。
出来ることは何でもする、学べるものはできるだけ学ぶに越したことはないでしょう。
1つのことにこだわるのは大事ですが、それが自己満足になっては本末転倒です。
あくまで目の前のお客様が求めてるものは何か。それに対して自分が何を提供できるのか…となれば、出せるメニュー、手札は多いに越したことありませんよね。
ただ、あれもこれもと手を出しすぎ、器用貧乏で終わらないように、磨くなら徹底的に磨く。自分の主軸をしっかり持つ。最終的にはどんな人たちとどうなっていたいのか、理想のゴールを思い描いて頑張りましょう。
 
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』 ダーウィン(イギリスの自然科学者)

▼ライター
鎌田安奈(annna  kamata)
現在は、インストラクター&パーソナルトレーナー&フィットネス作家として活動中。
フィットネスクラブ、公共体育施設、企業フィットネス、サークル等幅広く指導の場をもち、中高年からシニアに向けて、「介護いらずで一生元気!」をモットーに活動している。
座右の銘は、明るく元気でお気楽に。
最近は、ハリウッドで活躍するスタントマンに弟子入りし、アクションの練習と撮影にハマっているが、実はオタクでインドア派。

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