日本縦断しながら日本中でエアロビクスをしたり、犬好きなあまり「犬愛(いぬあい)」というイベントを開催したりと、他のインストラクターとは一線を画する存在の鈴木 和真(すずき かずま)さん。「好き」に忠実に、自身に嘘を付かないで生きる鈴木さんの生き方は一体どんなものなのでしょうか。鈴木さんの生き方・働き方の本質に迫ります。
鈴木 和真( KAZUMA SUZUKI )
フィットネスインストラクター 生年月日:1989年11月1日 出身地:大阪 活動エリア:大阪 ▼活動実績 2013 チャリティーフィットネスイベント 犬愛 開催 累計約250万円募金 2018 日本縦断47都道府県を経験 2019 Stretch Flow フィットネスプログラム発案 ▼資格受賞歴 DSB 2014 関西大会 優勝 JDPC 2014 優勝 DSB 2016 準優勝
お金払わんでジムを使いたい…アルバイトや!
__まろにーさん(鈴木さんのニックネーム、以下「まろにー」)は、確か小さいころからダンスをやられていたんですよね?
まろにー:そうそう。小学校3年生からダンスを始めて、いろんなステージにも立ってたなー。中学では部活に入ろうと思ったけどダンスが忙しすぎて部活に入る暇がなくて、高校ではダンス部に入ったけど、大学ではダンス部がなかったから「いっそダンス部を自分で作ってまおう」と、同好会みたいなもん自ら作ってダンスしとったなー。
__そこからなぜインストラクターになったのですか?
まろにー:大学に入ったら文系やったから、体育とか体を動かす授業がなくて…。これはあかんおもてスポーツクラブに行くことにしてん。ほんで見学に行って入会金と月会費の説明を受けたんやけど、それが合計1万円やって。でも、携帯代も払わなあかんし遊ぶお金も必要やし、その中でさらに1万円を削ってまでジムに行きたいかと考えたときに、俺は正直行きたくないなと思って。でも自分貪欲やから(笑)金払わんでジムに入れる方法はないかって考えた。ほんでアルバイトを探してみたんよ。アルバイトができたら知識も得られるしお金ももらえる、しかもタダでジムも使える。俺に最適やなって(笑)
__発想がすごいです(笑)それでアルバイトからスタートしたんですか?
まろにー:せやねん。株式会社東急スポーツオアシスで働き出して、そこで「ダンスを教えたい」って言ったら、「おー、ええよ!教えたらええやん」って言ってもらえて、オーディション受けてやらせてもらうことになって。やってるうちにこんな仕事あるんやーって、指導がすごい楽しくなってきてなー。で、あれよあれよという間にスタジオ担当になり、気がついたら2年が経ってたんかな。そのときで週に10本~以上レッスンしとったわ。
__もはや、フリーのインストラクターと同じレベルですね(笑)
まろにー:まさにそうで、ある人から「フリーになった方がええで」ってアドバイスもろて、そこで初めてフリーという働き方があることを知ってん。ほんで、フリーでインストラクターになろうと決めたタイミングで、すぐに退学届だしたんよ。後ろに逃げ道があったらあかんと思って。
退学届を出した後に事後報告で親に言いに行ったんやけど、最初に「はぁ?何考えてんの?」って言われて(笑)。フリーに反対するのはもちろん、ましてや "インストラクター" という仕事にめっちゃ反対やったから。「そんな不安定な仕事は絶対認めへん」って言われたもん。「出て行きなさい」って言われて、「はいよー」って、そのまま荷物まとめて出て行ったけど、さぁほんでどうするってなって(笑)自分の人生を振り返ってみると受験も就活もしたことないし、自分がすごいゆとりやなぁって気づいた(笑)
忙しいのが好き。それが生きがいやねん!
__受験や就活はしてなくても、好きなことには一直線ですね。行動力がすごいです!
まろにー:自分の中のベースになる考え方は高校生のときから変わってなくて、みんなが寝てる間にも仕事してる人のことを考えると負けた気がして、めっちゃ「いやや」って思ってまうねん。睡眠時間を極力減らしてでも働いた方がいいって考えてたタイプやから。一番多いときやったら、クラブダンスとかバイトを4つ同時に掛け持ちしてたな。
__働くことに対するバイタリティがすごいですね。その原動力は何でしょうか?
まろにー:キツキツにつめつめで動いてる方が性に合ってるというか、忙しいのが好きやねん。それが生きがいやな。自分自身をSで攻めて、自分でMになってん(笑)
__なるほど(笑)正社員の安定を求めたことはないんですか?
まろにー:父親が自営業で人に使われるのがめっちゃ嫌いな人で、俺はその遺伝子を引き継いでるからか、物心ついたときから「お前は絶対にサラリーマンは無理」って言われとった。今思うと確かになーって思う。右向けって言われると左向いちゃうから(笑)
__フリーでいることがまろにーさんらしくいられる生き方なんですね!
まろにー:そうかもな。働く場所がないことって絶対にないから、別に「フィットネスインストラクターという仕事が明日からなくなります」って言われても「まぁ、別に他にやりたいこと見つけてやればいっか」って考え方。これ1本で生きていく!という考え方やないから、自分の中では気楽かもな。
自分一人で、いろんな人の受け皿になってあげたいやん?
__今はどんなお仕事をされてるんですか?
まろにー:アパレルのENIMOの運営と、フィットネスインストラクター・ストレッチフローのプログラムを作ってる。あとは今準備してるんやけど、自分でカフェ & スタジオをやろうかなと思ってる。今のところ、35歳くらいで最前線から退こうって考えてて、リミットはあと5年。今から逆算して動かなあかんなと思って。今は知識を蓄えて、2年後にカウンターだけのお店を出して、5年後に本格的にやろうかなって感じで。過去の積み重ねた「点」がいつか「線」で結ばれていくはずやねん。
__インストラクターとしては具体的に何をされてるんですか?
まろにー:エアロ、ステップ、ダンス、アクア、オリジナルバーベル、オリジナルマーシャル、ピラティス、バランスボール、バランスディスク、ボディシェイプ、ストレッチフローかな。
__すごっ!何でもできますね!
まろにー:例えば、今自分がエアロとステップだけ出来るとするやん?でも、エアロとステップ以外をやりたい人がもしいたら、その人の習慣にはなってあげられんやん。俺はたくさんの人の習慣の中に関わっていたいのよな。何らかの疾患を持ってる人が「先生のレッスン受けたいねん」って言われたとしたら、そこに何かしたらの受け皿を用意してあげたい。そのために今まで自分ができる幅を広げてやってきたんよ。
__考え方が素敵です!レッスンは週に何本やられてるんですか?
まろにー:火・水・木で19本、土・5本だから全部で24本かな。インストラクターは絶対にレギュラーレッスンをやめたらあかんと思う。現場には触れ続けとかな。どんだけ忙しくなっても、週20本は切らへんで。
コンテストには出ないかなー。そういう選択肢もあるんやーって。
__今後のイメージしているキャリアはありますか?
まろにー:インストラクターとしては惜しまれて引退したい。尚且つOnly OneでありNumber Oneでありたい。誰とも比べられへん状態がええと思ってて。
いかに「鈴木和真」らしくいれるかっていう状態が表現出来ていれば何だっていい。例えば「それできるの、マロさんくらいっすわー」って言われたりするやん。周りから見て、自分らしさが表現できてることが大事。仕事のカタチ、働くカタチは何だってええねん。
例えばティッシュ配りでも、俺がそれにすごく誇りを持ってやることができるならめっちゃいいと思うねん。けど「何で俺こんな仕事してんねんやろ」って思ってたら、それは絶対に輝いてないし、そんな状態じゃ誰もティッシュ取ってくれへんやろって思うねんなー。
__「鈴木和真」らしくいることが人生のテーマなんですね!
まろにー:いかに自分らしくいられるか、あのときこうしておけば良かったっていう後悔はしたくないねん。
あと、選択肢になってあげたいなと思う。俺は今までコンテストに出たことがないねん。でもプレゼンターができてるし、海外でレッスンできてる。それって夢があるやん。コンテストで優勝しなくても選択肢にはなれるねん。そういう希望を与えられる選択肢になりたい。だから俺はコンテストには絶対に出えへん。
__めちゃくちゃかっこいい!それでは最後に若手のインストラクーや未来のインストラクターに向けてアドバイスをお願いします。
まろにー:人間って何かしらの欲求があると思うねん。「〜したい」って思うならした方がええ。した方が良かったっていう過去形の後悔よりも、やってみて成功した、失敗したってどっちかの経験ができた方が絶対にプラスやん。やらない後悔は経験しなくてええと思うねん。
__ありがとうございました!
「Only oneかつNumber one」
まろにーさん以上にこの言葉が似合う人はいないと思います。自分の想いを発信して、形にして色んな人を巻き込んでいくまろにーさんは、エネルギーの源のような人です。いつも明るくポジティブなカッコいい生き方には、僕含め多くのインストラクターの憧れとなっています。(幸田)
登場から独特のオーラを放ち「今日はよろしく頼みますわ!」という一声で、当日の曇り空を一気に吹き飛ばしてくれたまろにーさん。まさに"歩くパワースポット"を体で現している方でした。プラス思考でどこまでも前向きなまろにーさんですが、その明るさと同時に、人を心から思いやる優しさも兼ね備えている方だと感じました。その姿に、人生を明るく軽やかに生き抜くすべを学ばせてもらったような気がします(中野)