2019年11月17日に行われた、若手・中堅インストラクターがフリースタイルのエアロビクスレッスンの指導力を競う「ROOKIE CONTEST」。この大会で、見事2位の快挙を成し遂げたのが松本さんです。ここ最近のホットな注目インストラクターとして業界に名前を轟かせている彼女ですが、なんと以前はOLをしていたのだそう。異色の経歴を持つ松本さんの素顔に迫ります。
松本 佳耶 (KAYA MATSUMOTO)
エアロビクスインストラクター 生年月日:1992年10月2日 出身地:神奈川県 活動エリア:東京・神奈川 ▼活動実績 ・A.E.C.エアロビクスインストラクター養成コースアシスタント講師 ( 2020年4月から講師の予定 ) ・フィットネスウェアJTB契約ライダー ・ロート製薬 ロートスポーツビューティマイスター ・フィットネスアプリ"FiNC"出演 ・教材DVD出演 ▼資格受賞歴 ・2019 ROOKIE CONTEST 準優勝 ・第6回 全日本新体操クラブ団体選手権 優勝 ・DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 3位
OLからインストラクターへ転身。その意外なきっかけとは?
__学生時代はどんなことをされていたのか教えてください。
松本 佳耶 (以下、松本):人生の3分の2はスポーツに関わっていて、小学校から高校卒業するまでの12年間はずっと新体操をやっていました。遊びではなく割と本気でやっていたので、週5日スクールに通ってましたし、全国大会や県大会でも「絶対に優勝する」というくらいの気持ちでやっていましたね。しかしそれも高校を卒業すると同時に燃え尽きてしまって…。その後、日本体育大学に進学したんですけど、そこでは縄跳びのダブルダッチを始めて、世界大会にも出場しました。
__運動神経抜群ですね!
松本:いやいや、当時は特にですけど、ダブルダッチがメジャーな競技ではなかったので、世界を目指しやすい競技だったのかなと思いますね。
__日本体育大学を卒業してから今までは、どういうキャリアを歩まれたのですか?
松本:大学4年間を通してやりたいことも見つからず、いくつかの一般企業を受けたんですけど、面接も上手くいかなくて。悩んでいたら先輩が「給料の良い事務のお仕事があるよ」と、道路の標識を点検する会社を紹介してくれたんです。そこで事務の仕事に就きました。
__OLをされていたんですね。今の松本さんからは想像がつかないです(笑)
松本:就職して半年ほど経った頃、今まで散々身体を動かしてきて、日本体育大学を卒業したのに、「なんでこの仕事をしてるんだろう」とふと思ったんです。ずっと動かしていた身体を急に動かさなくなったので、いまいち体調も優れず…
そこでスポーツクラブに通い出したんです。そこでエアロビクスのレッスンに参加してみて「あ、すごく楽しい!これかも!」と、直感でなんかビビッときちゃいました(笑)
__きっかけはご自身でレッスンに参加されたことなんですね。そこからどういう道を辿ってインストラクターになったのですか?
松本:まず、レッスンを受けていた先生にいろいろと話を聞かせてもらいました。ただ、その先生以外の業界の知り合いがいた訳でもないから、あとはひたすらインターネットで調べました。検索で「エアロビ インストラクター なりたい」みたいな(笑)ほんと語彙力なくて恥ずかしいんだけど(笑)
そしたらトップにA.E.Cが出てきて、サイトを見たら「3月に説明会をやります」と書いてあって「これは行くしかない」と思って。それで、社会人2年目と並行で、養成コースに半年間ほど通って、養成コースの卒業と同時に会社を辞め、フリーインストラクターとしてデビューしました。
幅を広げ、選択肢を増やす。そのために新しいチャレンジを。
__最初はどうやってインストラクターのお仕事を探したんですか?
松本:普通にオーディションを受けました。10月のデビューだったので、そこまで求人もなくて、最初は週10本のレッスンからのスタートでしたね。その間に、またオーディション受けたり代行でレッスンに行ったりして、翌年の4月からは週23本のレギュラーを担当していました。とにかく、いただけるお仕事は時間があれば全てやらせていただきましたね。当時は世田谷に住んでいたんですが、埼玉や千葉にも足繁く通っていました。
__週23本はすごいですね。それでは、現在の活動内容について教えてください。
松本:東京と神奈川のスポーツクラブでエアロやステップ、ダンスエアロなどのグループレッスンを週16本やってます。ほとんど有酸素運動系のレッスンですね。あとは、A.E.C.のエアロビクスインストラクター養成コースのアシスタントや「FiNC」と言うアプリの動画に出演したり、外部のイベントに参加することもあります。1年目はグループレッスンだけでしたけど、徐々に仕事の幅が広がってきた感じです。
__今は意図的に仕事の幅を広げているのですか?
松本:そうですね。今は、将来の生活バランスを取るためにも頑張るときだし、選択肢を増やす時期だと思っています。後先考えるよりも動きながら考えて、例え失敗しても自分にとって経験になるし、とりあえず行動しようという意識を持って日々を過ごしています。
少し前になりますが、金子賢さんが主催しているサマー・スタイル・アワードにも出場しました。私はまだまだトレーニングや身体の知識も足りないですし、将来的にはパーソナルトレーナーのお仕事もしてみたいと思っていたので、いい勉強になるかなと。
__結果はいかがでしたか?
松本:結果は入賞まで一歩届かず6位でした。でも、精神的な部分の強化と言う意味でもすごく良い経験になりましたね。大会までの期間は、パーソナルトレーナーをつけてトレーニングをしたんですけど、減量の辛さも経験できたし、食事制限もしました。ただ、エネルギーが足りない状態でレッスンをしても、正直楽しめなかったし、動きもちょっと雑になっちゃったりして。改めて自分はグループレッスンが好きなんだなって知るきっかけにもなりました。
__確かヨガの養成にも通われていたんですよね?
松本:そうです。ヨガも仕事の幅を広げたくてチャレンジしてみました。いつか結婚して出産をするときが来るかもしれないじゃないですか(笑)ヨガであれば、マタニティとかもあるし、続けやすいかなと。
不安で諦めるのは勿体ない。道を切り拓く唯一の方法は行動力。
__今後のキャリアはどこを見据えているのでしょうか?
松本:インストラクターを3年やってみて思うことは、やっぱり自分はグループレッスンが好きなんだなということと、自分もA.E.Cの講師の方々のような教育の道を切り拓いて行きたいなということ。あと、クラブの立ち上げにも興味はありますね。A.E.Cの講師の方々には尊敬しかないです。
ただ、仕事だけにもなりたくないし、家庭だけにもなりたくない。全部をバランスよく組み立てながら生きていきたいかな。一つのことに執着はしたくないですね。
__今違う業界にいるけど、フィットネスインストラクターの道に進むか迷っている人へメッセージをお願いします。
松本:思い立ったら即行動することではないでしょうか。新しいことに挑戦するのって、やっぱり不安だし怖いんですよね…「フリーになってお仕事をもらえなかったらどうしよう」とか、「仲間ができなかったらどうしよう」とか。
不安だし怖いけど、やってみないことには道が切り拓けないし、想像しているだけでは先に進めないし時間も勿体無いですしね。何より不安で諦めるのは勿体ない。動けば何かを発見できるし、モヤモヤした気持ちも徐々に解消されていくと思います。
__松本さんとお話していると、すごくポジティブな気持ちになれます。アクティブだしポジティブですね!
松本:実は、もともと性格的に物事をネガティブに考えがちなんです。インストラクターになってから気付かされたことなんですけど、物事をネガティブに考えるとネガティブにどんどん引き込まれちゃって、ネガティブの悪循環になってしまうんです。ネガティブな気持ちのままレッスンをするとお客さんにもそれが伝わってしまうし、何よりも良いレッスンができないんですよね。例えネガティブなことがっても、そこをあえてポジティブに変換することが大事なんだと感じています。
__ありがとうございました!
【編集後記】
お会いするまでは想像もしなかった「本当はネガティブ」という言葉。明るく朗らかに生きていそうな印象の松本さんですが、その裏側には誰にも見せないひたむきな努力と強い決意がありました。自分の道を自分で切り開くという言葉は、まさに松本さんを体現しているようですね。今後の活躍がとても楽しみです。(中野)
たまにでるネガティブな発言をしても「でもこういう風に考えるようにしてる。」と意識的にポジティブに切り替えている佳耶さん。年齢の近いインストラクターでもあり、とても刺激になっています。コンテストの時に「決勝に上がる」と宣言して2位に入賞されました。
常に挑戦し努力してる佳耶さんをみてると負けてられない気持ちになります。(幸田)