未経験からパーソナルトレーナーになる方法とポイント

パーソナルトレーナーとは？

そもそもの話ですが、パーソナルトレーナーとは何をする仕事なのでしょう。「一対一でトレーニングを教えることでしょう？？」と思っている方は、少し危ないかもしれません。もちろん間違っていないのですが、50%正解！くらいです。ざっくりした言い方になりますが、『一対一でサービスを提供すること』がパーソナルトレーニングの本質になります。そのサービスの内容がトレーニング、いわゆる筋トレということになりますね。ホテルスタッフや飲食店のホールスタッフも、サービスを提供するという点では一緒です。サービスの内容が変わるだけで、お客様を満足させる・喜ばせるという点では全く変わりません。まずはこの考え方をしっかり吸収しておくようにしましょう！

それをふまえた上で、パーソナルトレーナーとはお客様の目標とする身体づくりのお手伝いをすることです。お客様の目標の中には、ダイエット・筋力アップ・健康増進・不調改善など本当に様々な目標があります。それぞれに合わせたトレーニングメニューを組むことは、簡単なことではありません。人の身体に関することなので、お客様の安全も考慮しながらトレーニング指導をしていくのがまず第一の役目です。目的にもよりますが、トレーニングにはウエイト（重り）を使って行なう場合ももちろんあります。その重りがもしお客様の身体に落ちてきたら、、、。トレーニング中に痛みが発生したり、体調が悪くなったりしたら、、。もちろん、そのような事が起きてしまってはいけませんが、もし仮にその現場に遭遇してしまった場合にも、対処できる知識と対応力が必要になってきます。パーソナルトレーナーとは、一対一でトレーニング指導をして理想の身体づくりのお手伝いをするだけでなく、お客様の身体の安全を第一に確保することも大切な仕事の一つになります。

未経験からトレーナーになるための準備

実際にトレーニング指導の経験が無くても、人にトレーニングを教えてお金をいただくことは充分可能です。仮にあなたが友人に「俺、今日からトレーナーなんだぜ！」と言ったとします。そうすればもう今日からあなたはトレーナーです。簡単に言いますと、国家資格ではないため名乗れば今日からトレーナーになれるということです。ただ、それだと名前だけの『ヤブトレーナー』になってしまいますので、未経験からでもお金をいただけるようになるために何をするべきかをいくつか紹介していきます。

勉強（資格取得）
多くの人と話す
人に教える練習
情報収集

【１、勉強（資格取得）】
当たり前中の当たり前ですが、、、勉強しましょう！！できればNSCAなどの資格を取得することをオススメします。資格を持っていると就職（転職）がしやすくなりますし、お客様に安心感を与えることができます。未経験で資格もない・・これだと就職（転職）のハードルはかなり高いでしょう。

トレーナーに限ったことではありませんが、勉強しないとどんな仕事でもできません。特にトレーナーは他人の身体を扱う仕事ですので、しっかりとした知識が無いと怪我をさせてしまう可能性は充分あります。取りしのつかないことになり得る可能性も、、、。ですので、まずはしっかりと勉強して知識をインプットすることです。では具体的に何を勉強すればいいのでしょう。もちろん身体のことは全て理解しておくべきと思うかもしれませんが、そうは言っても実際にはなかなか難しいので、これだけは必ず勉強しておくべき項目を挙げました。

機能解剖学
運動生理学
ストレッチ

この3つは何があっても必ず勉強しておきましょう。
「え？トレーニングの種類は勉強しなくていいの？？」と思うかもしれませんが、大丈夫です。トレーニング種類は後から自然とわかってきます。それよりも、筋肉や関節の種類、どこをどう動かせば筋肉が動くのかを理解しておかないと、いくらトレーニングの種類をたくさん知っていても指導ができません。基本的には指導するお客様はトレーニング初心者ということを覚えておきましょう。指導の理解をしてもらうためには、筋肉の作用を説明できるようにしておかなくてはいけません。

【２、多くの人と話す】
パーソナルトレーナーはただ人と話すだけではなく、マンツーマンで接する仕事です。マンツーマンで話すということは、より深い内容の話をするようになります。例えば、お客様の趣味や休日の過ごし方、場合によっては悩み相談などもされることは多くあります。「トレーニング指導をするのが仕事なので、別の会話など全く関係ない」と思う方もいるかもしれません。この場でハッキリと申し上げると、それではパーソナルトレーナーは務まりません。冒頭でも述べたように、お客様を満足させることが本来の仕事です。お客様の話を聞いたり、場合によってはトレーニング以外のことでもアドバイスをすることもサービスの一つになります。そのためには、自分だけの考えや価値観だけで接することはかなり危険とも言えます。様々な職種の方や、価値観を持ってる方と話をする機会を作って、それぞれの考えをシェアしてみてください。そこで新しい発見や考えが生まれることが必ずあります。真面目な話だけじゃなくてもいいんです。学生時代の思い出話や、恋愛、バカなことをした経験などを話していくうちに、人との接し方が自然と身についていきます。パーソナルトレーニングも本当にいろんなタイプのお客様が来ます。当たり前ですが皆さんタイプが違うので、当然価値観も違いますから、そんな時もしっかり会話でも対応できるようにしておくことが大切です。

【３、人に教える練習】
人に何かを教えたことはありますでしょうか。部活や勉強など、何かしら伝える経験をしたことはあると思います。パーソナルトレーナーは、人に教えるプロにならなくてはいけません。上記でも述べたように、お客様はほとんどの方が素人です。素人の方に自分の言っていることを理解してもらうためには、それなりの工夫をしなくてはいけません。

例えを使う
専門用語を使わない

主にこの2つです。
例えばプッシュアップ（腕立て伏せ）を指導する時でも、しっかり上がってきましょう！と伝えるだけではなく、「両手で床を押し返すようにして」などと表現の例えを使うと、お客様はイメージしやすくなります。例え方は自由ですが、なるべくイメージしやすい言い方にしましょう。日常に例えた言い方もオススメです。専門用語を使わないようにするのは基本中の基本です。自分が勉強する時は当然専門用語で覚えるべきですが、お客様にとっては難しい用語を使ってもわかりにくだけです。大腿四頭筋というよりも、もも前の筋肉と伝える方がわかりますよね。特に未経験で始めて初期のころは専門用語を使いたくなるので注意しましょう（笑）

ハムストリング　→　もも裏
大臀筋　→　お尻
上腕二頭筋　→　力こぶ
上腕三頭筋　→　二の腕
腹斜筋　→　ウエスト周り

説明の時は、誰でもわかるような置き換えの言い方を用意しておくと良いです。お客様によっては知識をアピールしていると思われてしまうこともありますので、言い方には注意しましょう。

【４、情報収集】
トレーニングに関する勉強ももちろん大切ですが、その他の情報も常に集めておくようにしましょう。具体的なその他の情報とは、主に時事ネタです。今現在の旬なニュースや話題となっているニュースに常にアンテナを張っておいて、「このニュース見た？？」という質問に対して、全く知らないという状態にはなるべくならないようにしておくと良いでしょう。ポイントは、知りすぎないということです。本当に少しだけでいいんです。例えばお客様から、「今流行ってる〇〇って知ってる？？」と言われて、「あっ！この前テレビでやってるの見ましたー！」くらいでも、その後の会話が続きますよね。話題をシェアすることができます。それが「いえ、わかんないです」だと、その時点で会話は終了です。何となく気まずい空気が流れるのが想像できますよね、、。逆に知りすぎてしまうのもオススメできません。お客様が求めているのは、その話題について一緒に話しがしたいのと、共感・共有がしたい場合がほとんです。もしたくさん知りすぎて、お客様が持ってる情報を上回ってしまうと、本当にしたい話題ができず共感しずらくなってしまいます。仮にたくさん知っていたとしても、場合によってはお客様が話したいレベルに合わせて会話しましょう。

もちろん全てにおいて深いところまで情報を集める必要はありません。大切なのは広く浅くです。天気や流行りの音楽、ドラマ、タレントさんなど最低限で大丈夫ですので、情報は入れておくようにしましょう。

トレーナーとしてやってはいけないこと

ここまでは主にトレーナーとして大切なこと、やっておくべきことを話してきました。では逆にやってはいけないことはあるのでしょうか。はい、もちろんあります。

トレーニーとトレーナーを間違えない
身体の評価をしない

【１、トレーニーとトレーナーを間違えない】
トレーニーとトレーナーの違いはわかりますでしょうか。トレーニーとは、トレーニングをする人達の総称を表します。トレーナーとは、トレーニングを教える人ですよね。

近年、海外で人気のトレーニング方法が真似されたり、様々な団体のボディコンテンストの開催によりトレーニングをする人が増えています。これは本当に素晴らしいことです。ただそれと同時に、間違った情報や考え方が増えていることも事実です、、。もちろんボディコンテストが悪いと言っているわけでは全くありません。伝えたいことは、ボディコンテストで良い成績を残すことがトレーナーの肩書きなるわけではないということです。はっきり言うと、お客様にとってトレーナーのコンテストの成績はさほど重要ではありません。トレーナーがどんな身体かということよりも、そのトレーナーから教われば自分はどんな身体になるのかということに関心があるのです。よくある勘違いとして、コンテストで優勝したからトレーナーになる場合です。コンテスト優勝は確かにすごいですが、あくまでそれは自分の身体を鍛えることのプロ、つまりトレーニーなわけです。他人の身体を鍛えるプロであるトレーナーとはまるで違います。自分と他人の身体は別物ですから当たり前ですよね。これを間違えないようにしましょう。これを読んでいるあなたは、トレーナーになりたい！と思っているはずです。ただ自分の身体を鍛えることも、トレーナーとしては大切なことですので、しっかりトレーニングは積みましょうね！

【２、身体の評価をしない】
これは、身体の指導者として最も大切なことです。そして絶対にやらなくてはいけないことです。評価をせずしてトレーニングメニューは組み立てることができません。立った状態での評価、片足立ちになった状態での評価、歩行時での評価などたくさんの方法がありますが、まずは基本的な立位での評価を勉強しましょう。人が立った状態での頭の位置、骨盤の角度など正しい場所にあるかどうか。この評価が大切になってきます。もちろん最初から完璧に見極めることは難しいので、とにかくいろんな人の身体を借りて経験を積みましょう。
友達、家族を巻き込んでも良いと思います。「ちょっと骨盤評価させて！」とお願いしてみましょう。相手は立っているだけで何もしなくていいので、知り合いでも頼みやすいと思います。良い評価ができれば、比例して良いトレーニングメニューを組むことができます。

未経験からトレーナーになった後に注意すべき事

最後に、実際にパーソナルトレーナーとして仕事を始めた際に注意すべき事です。なり始めた方も含めてですが、トレーナーになってからが本当のスタートです。いろんなタイプのお客様が来られると思いますが、とにかくお客様との信頼関係をつくってください。言葉遣い一つ、指導の時の手の添え方一つ、細かいサービスを心がけましょう。そうすれば、どんなにトレーニングがキツくても、お客様はあなたのファンになってくれるでしょう。是非、パーソナルトレーナーとして一緒に頑張っていきましょう！