
多彩なジャンル・方向で才能を発揮し、フィットネス業界でその名を轟かせている高山英士さん。常にストイックに己を磨き続ける彼のモチベーションは、私たちの想像を軽く凌駕します。そんな高山さんに、ご自身のお仕事への向き合い方をお聞きしました。

高山 英士(HIDETO TAKAYAMA)
エアロビクスインストラクター 生年月日:1987年5月27日生まれ 活動エリア:東京 ▼活動実績 ・有限会社フィクスド 0 コンディション 人材育成部 ・株式会社ブラボーグループ National presenter ・エアロビクス、ダンスエアロビクス、ラテンエアロ、などダンス系グループエクササイズ指導 ・フィットネスプログラムMOSSA GROUP GROOVE ナショナルプレゼンター ・A.E.Cエアロビクスインストラクター養成コース講師 ・株式会社プロジェクションワークアウト 開発ディレクター ・全国イベントレッスン出演 ・インストラクター教材用DVD出演多数 ・海外イベントレッスン出演(韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、タイ、イタリア、フランス) 等 ・フィットネスグループ 「fitness4」のメンバー ▼資格受賞歴 2014年 タイバンコク アジアフィットネスアイドルコンテスト優勝 2014年 JAPAN ROOKIE CONTEST3位 2015年 愛知夢いろフィットネスコンテスト審査員特別賞 総合優勝 2015年 DANCE FITNESS CONTEST3位 2015年 JAPAN ROOKIE CONTEST優勝 2018年 DANCE FITNESS CONTEST 優勝 2019年 Total Freestyle Trophy 3位
尖っていたあの時代があるから、今がある
__高山さんの現在までのキャリアを教えてください
高山 英士 (以下、高山):広島のYMCAフィットネス社会体育科でエアロビクスを学び、卒業後は総合フィットネスクラブに勤めました。プールもキッズプログラムもあるような大きいところで3年間働きましたね。
その後、呉市にあるスポーツクリニックでトレーナー兼インストラクターとして約2年。その後は、一回電池が切れたように何もしていなかった時期がありました。その間にルーキーコンテストにエントリーして、コンテスト直後にいろんな人から声をかけていただき上京しました。そのあとはずっとフリーです。
僕も結構やんちゃだったので(笑)広島時代は尖っては潰され、尖っては潰されての繰り返しでした。でも、その時代あってこそ今があるのだと思っています。
__今はどんなことをお仕事にされていますか?
高山:僕の軸はフィットネスインストラクターなので、エアロビクスのレッスンが基本です。その他のメインの仕事としては、インストラクターの養成コースで講師をしたり、有限会社フィクスド0 コンディションで、人材育成のコンサルタントを行ったりしています。他には、MOSSAというプレコリオのレッスンを教えたり、地方や海外に出向いてのイベントレッスン、アプリ開発など、単発の仕事もいくつかあります。
最近、妊婦さん向けのエアロビクスであるマタニティフィットネスも始めました。これから仕事の幅が広がりそうだと感じましたし、マタニティフィットネス自体のポテンシャルを感じたので、資格を取得して今年から始めています。
_高山さんはグループでの活動もされていますよね。
高山:そうですね!fitness4というグループで活動しています。レッスンやイベント内容を、なるべくわかりやすいように動画でアップしています。 最初のきっかけは、リーダーの高柴の想いに賛同して始めましたが、今は唯一無二の場になりました。自分の現在やっていることや積み重ねているキャリアが、いつかチームに還元されればいいと感じていますし、その想いは皆同じだと思います。単純に、1人より4人でやった方が楽しいというのもありますね(笑)
マイナスはいつかプラスに転じると信じる
_仕事が多岐に渡っていて、ものすごく忙しそうですね。
高山:ものすごく忙しいです(笑)でも、僕はフィットネスに関するもの、かつ自分のできる守備範囲だったらどんなものでもやりたいです。
先ほどお話ししたマタニティビクスがまさにその例で、マタニティビクスの資格を持っているインストラクターというのはとても少なくて、その多くが助産師さんなんです。しかし、助産師さんはレッスンができないですよね。そんな助産師さんにエアロビクスを教えるワークショップに参加したのが最初です。初めはあまり興味がなかったのですが、お話を聞いて面白そうだと感じたので始めました。
コンサルタントの仕事も、初めのきっかけは興味を持ったからです。たまたまその会社の社長さんとお話する機会があって、話してみるとすごく勉強になるし、新しいフィットネスの形を見せてもらえるんじゃないかと感じて始めました。
__自身の幅を常に広げているんですね。
高山:そこは常に意識しています。仕事を選ぶのが悪いとは思いません。もちろん、このジャンルは自分が不得意だからとか、他の人の方が上手く教えられるからという理由で仕事を選ぶことは必要だと思います。
しかし、食わず嫌いにならずに、どんな仕事だろうが一度真摯に聞いてみて、自分の中で良いと思ったら取り組んでみる。それが一番大事だと思っています。そうして始めたことが結果マイナスになったことはないですし、どんな現場だろうがとりあえずやってみることが大事で、それはいずれプラスになります。
__高山さんの中でのターニングポイントはどこだったのでしょう?
高山:インストラクターの養成講座を依頼され、初めて「先生」という立場になったときですね。その時期は毎日大変だったんですけど(笑)、ブレずにフィットネスをしっかりやっている人たちから学ぶことはとても多くて、そんな人たちの元に身を置くことで、考え方も大きく変わりました。
中途半端なことはできないと強く思ったんです。レッスンへの向き合い方が変わり、明るかった髪も黒に戻しました。なるべくだらしない生活をしないよう日々心がけていると、自然と少しずつ仕事が増えていきましたね。新しい仕事って、基本だいたい自分のキャパシティを超えてきます。しかし、それを超えられれば一つ自分のステージを上げることができる。それをずっと信じてやり続けているだけなんです。
レッスンは絶対に減らさないのが信条
__高山さんが今後目指すキャリア像を教えてください。
高山:まず、レッスンは絶対に減らしません。常に現場の中に身を置いておきたいですし、やはり現場のフィットネスインストラクターは絶対的な存在です。レギュラーレッスンを減らしてコンディショニングに当てたり、多岐に仕事を展開していくのもそれはそれで良いことだと思います。しかし、レッスンから遠ざかっていると徐々にインストラクターとしての自信を失っていく。それは避けたいんです。イベントレッスンもそうですね。イベントをすることでフィットネス人口がもっと増えるかもしれないし、より質が良くなるかもしれない。お客さんにもより楽しんでもらえるかもしれない。
グループエクササイズではどのジャンルも網羅できるような存在になりたいですね。「とりあえず高山に投げておけば大丈夫」と思ってもらえるような人物になることが目標です。今の経験が将来に繋がると信じて日々を過ごしています。
__最後に、高山さんと同じようなキャリアを積みたいと思っている人にアドバイスをお願いします。
高山:誰しも「今やっていることは無駄だ」と思うことがあると思います。例えば専門学校の授業や、日々の生活の中で。僕も様々な仕事をする中で、毎回「これって無駄だよな」と思うことが多々ありました。しかし、自分の仕事が多岐に広がってきた今、昔無駄だと感じていたものの全てが結局、今になってすごく役立っていると感じています。
養成講座の講師になった当初、昔自分が専門学校で習った内容が出てきますよね。もうその頃にはすっかり忘れてしまっていたんですけど、専門学校でしっかり勉強しておけばこんなことにはならなかったはずです。
コンサルタントの仕事でスポーツクラブの立ち上げを手伝った時も、スポーツクラブを経験していなければ、ゴミ箱一つどこに置いたら良いか分からない。僕は昔スポーツクラブに勤めていた経験があったので分かりますし、キッズや高齢者の仕事も経験してきているので、対象の人と対等に話せる。昔の経験が今に生きてきているんです。
今やっていること一つ一つを無駄だと思わず、この先役に立つと思ってとりあえずチャレンジしておくことは何よりも大切だと思います。
__ありがとうございました!
自分が学生時代からお世話になっている高山さん。常に行動で示してくれる尊敬している先輩です。一番最初に取材するなら絶対高山さんと決めてました。改めて考え方、価値観を聞けて自分がカッコいいと思える理由がわかった気がします。インストラクターとして追いかけたい、一生付いていきたい存在です。(幸田)
時折、軽快な広島弁を挟みながら、瞳の熱を絶やさずに真摯にインタビューに答えてくれた高山さん。「一発で上手くいったことはないです。何事も、必ずしんどかったり危機的状況になることがある。しかし、そういう状況になっても絶対チャンスは訪れると信じて、何事も前向きに取り組んでいます。」という最後の言葉が、まさに高山さんらしさを表現しているようで印象的でした。高山さんのような仕事への向き合い方は、必ず新しい光や素晴らしい未来を連れてくる、そう感じた取材でした。(中野)