好きな仕事をやりたい。そう考える方は多いのではないでしょうか?しかし、「出産」「お金」「私生活」とのバランスも大切。現代は、働き方の選択肢が増え、多様なスキルで活躍できるようになりました。フィットネス業界に興味がある。今の仕事をより充実させたい。その思いが形になったら嬉しいですよね?今回は今話題の「パーソナルトレーナー」についてお話しします。
女性トレーナーが求められる理由1「人材不足」
テレビ、CM、広告でもよく目にするようになったパーソナルトレーナー。ダイエットに特化したパーソナルジムや、プール・スタジオ付きの大型フィットネスクラブまでいたるところにスポーツジムを見かけます。それは、健康志向の高まりや美を追求する方がそれだけ増えたからです。
「寝たきりになりたくない」「若々しいカラダを保ちたい」「カッコよく見られたい」のは誰しも当たり前に抱く願望なのです。
では、現場はどんな状況なのでしょうか?「パーソナルトレーナーが足りない」これに尽きます。
もっと言うと「女性トレーナー」が足りていないのです。まだまだフィットネスは業界の歴史が浅いということもありますが、現場は人が足りていません。パーソナルトレーナーは指名制がほとんどで、「女性希望」のお客様もいます。それなのに女性トレーナーがいない。お客様の中にはコンプレックスを抱いている方もいて、どうしても男性トレーナーには打ち明けられない悩みがあります。
「ダイエット」というのは表向き、、、心の奥底には「彼氏を見返したい」「〇〇さんのようなカラダになりたい」「バストアップしたい」など、女性にしかお話できないことも多々あります。また、パーソナルトレーニングを希望される方の7割は女性です。結果を出したいのはもちろんのこと、誰かに支えてもらいたいのです。それを解決できるのが「女性パーソナルトレーナー」ということです。
女性トレーナーが求められる理由2「ホスピタリティ」
現代では、健康、美容、娯楽を満たすツールが多く存在します。
「健康器具」「アプリ」「動画」「SNS」とさまざまですが、なぜお客様はジムまで足を運ぶのでしょうか?それは「人とのつながり」です。世の中が便利になり、家から一歩も出なくても生活が送れるようになりました。また、核家族の増加、コミュニケーションツールの普及もリアルなつながりの障壁となっています。パーソナルトレーニング中はトレーニングのお話ばかりではありません。
「会社でこんなことを言われた」「あの人が言うことを聞かない」「私、ダメ人間なんです」と、プライベートなことまで話してくれます。こちらは聞くことに徹するのですが、この「聞く」「親身になる」ことは女性の方が向いています。女性はもともと表情を読み取ったり、同調し共感することに長けています。コミュニケーション能力にも優れている女性はパーソナルトレーナーのお仕事と相性が良いのです。パーソナルトレーニングは「きつい」「つらい」の連続です。効果が出ていてもお客様が継続できなければリバウンドすることもあります。カラダだけではなく、心のケアもできるホスピタリティマインドは女性の強みです。
インストラクターとトレーナーの相性は抜群
女性に人気のカテゴリにフィットネスインストラクターがあります。フィットネスインストラクターとは、スタジオで運動指導することです。エアロビクス、ボクササイズ、ヨガ、バイク、プールなど1対複数人の指導です。
①伝える技術
1人で複数人のお客様を動かすインストラクターに重要なことは「お客様に気持ちよく動いてもらう」ことです。これはパーソナルトレーニングも同じです。どれだけ効果の高いトレーニングもお客様が動かなければいけません。そして性別、年齢、体力、トレーニング歴、目的に応じて種目や重さ、回数を選択します。運動の効果を最大化するためには、インストラクター の強みである「伝える技術」が必要なのです。
②仕事の効率化
インストラクターの悩みの1つが移動時間です。移動中はお金も発生しませんし、満員電車ならストレスも溜まります。スケジュール改変時期には、1店舗で連続2本以上レッスンをお願いしますよね?1本1本移動していたのでは、カラダももちません。フィットネスクラブ、小型ジムのほとんどがパーソナルトレーニングを導入しています。レッスンの前後にパーソナルトレーニングを行うことで、移動を無くし1日の仕事が完結します。時間に追われる毎日から開放されること間違い無しです。
③ブランディング
レッスンの傍らパーソナルを行う場合、お客様がいなければ話になりません。しかし、インストラクターはすでにたくさんのお客様を抱えていますよね?レッスンに参加されているお客様です。その中には、「楽しい」だけでレッスンに参加している方ばかりではありません。「もっと早く痩せたい」「足腰を鍛えたい」「レッスン後に腰が痛い」「これってなんでなの?」と、言われたことはありませんか?「先生が見てくれるならパーソナルをやりたい!」という方はたくさんいます。
お客様の悩みを、スタジオでもスタジオ外でも解決できるのはインストラクター兼パーソナルトレーナーなのです。インストラクターのあなたはすでにブランドになっているということです。
④相乗効果
インストラクターもトレーナーもどちらも指導者です。違いは複数人か個人かのそれだけです。①で記載した「伝える技術」はインストラクター で磨き、専門的なカラダの知識をトレーナーで学ぶことで指導はより濃いものになります。人気インストラクターやトレーナーには特徴があります。それは抽象的な表現と具体的な表現を使い分けているということです。例えば、「胸を張ります」で終わらず、「胸を張ることで、胸郭が上がり、呼吸が整い、有酸素効果が上がる」すなわち「痩せやすくなる」というところまで理解していると指導の幅も広がりお客様も喜ばれるでしょう。
実際に稼げるの?
ここは気になるところです。もちろん、人によりけりですのでここでは1時間あたりのフィーと稼働率でお伝えします。
①1時間のフィー
パーソナルトレーニングは1時間あたり相場6,000〜8,000円です。そのうち、60〜80%がトレーナー のフィーとなります。よって3,600〜6,400円が1セッションのフィーとなります。
②稼働率
トレーナーの場合、シフトはお客様に合わせています。しかし、時間を絞って活動されている方もたくさんいます。レッスンの前後のみ、午前中のみ、平日は終日と自由に選択できます。出勤日数を減らして1日の本数を増やす、出勤日数を増やして本数を減らす、自身の体力や予定に応じて変更できるのもトレーナーの働きやすさのひとつです。
また、多少の片付けやお客様の待機時間もありますが、4本続けてセッションということも可能です。
→1セッション6,000円で月20本の場合
6,000円×20=120,000円 ×60%〜80%=72,000〜96,000円
→1セッション8,000円で月80本の場合
8,000円×80=640,000円 ×60%〜80%=384,000〜512,000円
売り上げや経験に応じて1時間あたりのフィーを上げるところもあります。
産後・育児中でもすぐに働ける
女性にとって仕事を考えるきっかけのひとつが出産です。インストラクターであれば早い段階で準備されている方もいます。出産前や出産後はどうしても現場を離れるしかありません。また、保育所の兼ね合いや◯歳までは自分で育てたいという方もいます。なにより、体力的に現場に戻れない方もいるかと思います。パーソナルトレーナーだからこそ解決できることがあります。
①自宅でオンライン指導
パソコンで食事指導や運動のアドバイスができます。子供から離れずに仕事ができるのは安心です。しかし、オンラインでは実際にお客様とお会いすることができません。アドバイスしかできないため、より専門知識が必要となります。栄養は奥が深く、女性に人気なため習得するスキルとしておすすめします。また最近では、オンラインや自宅でマタニティヨガが流行っています。子供と触れ合いながら仕事をする選択肢が増えることは女性にとって嬉しいことです。
②体力はそこまで必要ない
一般的にパーソナルトレーナーと聞くと、イメージはムキムキかもしれませんが、決して皆がそうではありません。栄養指導やストレッチ専門、高齢者指導が多いトレーナーはさほど重いバーベルを扱うことは少ないでしょう。トレーナー自身の体力や年齢に応じてトレーニングを選択できます。出産後1ヶ月で現場に復帰するトレーナーもいます。お客様のご理解の下、パーソナルトレーナーは非常に融通がききます。
③子供・家族に生かせる
パーソナルな専門知識を生かせるのはお客様にだけではありません。両親や家族、友人へも正しい知識を与えられます。両親の健康寿命を伸ばすことにも、旦那さまの肥満防止にも知識が生きてきます。また、子供はお母さんの影響を大きく受けます。日々の食事や習い事の選択で子供の可能性を最大化できます。情報過多のこの時代に、正しい情報をキャッチしているトレーナーは現場以外でも活躍できるのです。
パーソナルトレーナーになるには?
パーソナルトレーナーになるための公的な資格はありませんが、民間の資格はいくつかあります。保有していると、フィットネスクラブなど採用の際に有利になったり、お客様を獲得するうえでアピールにもなるため、取得する人が多いようです。現在はいくつもの民間資格があり、専門的な資格や基礎から応用まですべて網羅した資格まで存在します。資格を取得するまでの期間や資格を継続するためのお金もそれぞれです。
今回は採用の際に有利になる代表的な資格をいくつか紹介します。
①健康運動指導士
「個々人の心身の状態に応じた、安全で効果的な運動を実施するための運動プログラムの作成及び指導を行う」
令和2年3月1日現在、健康運動指導士として登録されている方は、全国で18,332人おり、病院、老人福祉施設、介護保険施設や介護予防事業等で活躍している方の増加が目立っております。
認知度が高く、働ける場所も多様です。
②NESTA
NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)は、アメリカに本拠地を置くパーソナルフィットネストレーナーの資格認定団体です。パーソナルトレーナーとしての知識・技術の教育をするのではなく、ビジネスマインドも兼ね備えたプロフェッショナルなトレーナーを輩出し、成功をサポートすることを目的としています。
キッズ向けの資格や糖尿病に特化した資格まであり、より専門性を磨くことができます。
③NSCA
トレーニングとコンディショニングの指導者の育成や継続教育、研究に裏付けられた知識の普及を通じて、一般の人々に対する健康の維持・増進から、アスリート傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、効果的なトレーニングプログラムを学べます。
NSCAーCPT
健康と体力のニーズに関して、トレーニングやコンディショニング全般の指導を行う、優れた専門的能力をもつ人材を認定する資格です。
④JATI
日本に適合したトレーニング法や指導法が身につきます。オフィシャルサイト等を通じて、認定資格保有者に対して、最新の科学的知見やトレーニング法、求人などの情報提供を行ってくれます。
JATI−ATI(トレーニング指導者)
JATI−AATI(上級トレーニング指導者)
⑤栄養コンシェルジュ
知識を得るだけでなく「活用する」に特化した資格。栄養の基礎から応用まで身につきます。
求人では、社員、アルバイト、業務委託とさまざまです。保有資格や経験によって優遇もありますし、未経験の募集もたくさんあります。
東京オリンピックでよりトレーナーの注目度は上がります。また、高齢者の健康寿命の問題や生活習慣病予防など、トレーナー にこそ解決できると思います。これからのフィットネス業界はトレーナー が担っていくのかもしれません。
※最短でNSCAなどの資格取得を目指すなら、パーソナルトレーナー養成スクールへ通うことをオススメします。オススメのスクールをまとめてありますので気になる方はご覧ください。ページから資料請求も可能となっております。
>>おすすめのパーソナルトレーナー養成スクールまとめ
谷口一樹(Kazuki Taniguchi)
現在は、パーソナルトレーナー兼インストラクターとして都内で活動中。 大手フィットネスクラブトレーナー養成の帯同やセミナーの開催、フリーランス向け懇親会を主催している。 フィットネス業界は他業種に比べフリーランスが多く、各個人が活躍できるために日々、奮闘している。
モットーは「人と人との間でしか感動は生まれない」
スポーツ歴:野球(甲子園2大会出場)ソフトボール(全国3位)