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【パーソナルトレーナーは必ず知っておくべき!】命に関わるケガとその対応

寄稿

2021.12.21

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前回は上肢と下肢にわけて、外傷について説明をしていきました。トレーニングには怪我がつきものなので、怪我の種類や対処法も理解しておきましょうという内容でしたね。 さて、今回はもう少し深い怪我の内容です。『命に関わる怪我』と聞いて、そんな怪我が自分がトレーニング指導中に起こりうるはずがないと思う人もいるでしょう。確かにそんな命に関わる怪我に直面するなんて滅多にあることはありません。あってはならないことです。 しかし、人の身体を指導するということは、身体をお預かりするということです。つまり、常に万が一を想像しておく必要があります。「そんなことにならないから大丈夫!」とは絶対に思わないでください。もちろんそうならないようにするのがベストですが、持病があるお客様がいたり、身体に何か病気を持っている人も指導することになるかもしれません。今回はより重傷のケガになります。なので知識の深さもどうですが、現場でのより迅速な対応が求められます。 ぜひ皆さんの知識に落とし込んでもらって、もしものときに備えていくとともに、周りのトレーナーの方やスタッフにも共有していってください。

【1.脳損傷
】

まずは脳のケガについてです。脳は柔らかい組織で、脳神経細胞・その他の脳細胞・血管・髄液などからできています。これらの脳組織に急激な外力が加わることで脳細胞が傷ついたときのことを脳損傷と呼んでいます。

特に脳組織の局所に強い打撃を受け、直接傷ついた場合に局所性脳損傷と呼びます。また、脳全体が揺れることにより、脳の機能障害や解剖学的障害を起こすものをびまん性脳損傷と呼んでいます。びまん性脳損傷は軽度のものから重度のものまでありますが、画像診断で脳組織が損傷しておらず、機能的障害のみで時間が経つと回復するものを脳震とうと呼んでいるのでしっかり区別をしていきましょう。

ここからは脳損傷の中でも代表的なものをお伝えしていきますね。
脳挫傷とは、頭部への直接的な外力で脳組織が損傷するものです。それに加えて脳組織が複雑な頭蓋骨に対して相対的に移動して衝突することによって生じる傷も脳挫傷として扱われます。どちらも、傷ついた組織から二次的に脳組織に不利になるような成分が出たり、局所の腫れによって血液循環の障害なども起こってきます。

受傷機転としては、後頭部を打撲しても前頭部を打撲しても、前頭葉と側頭葉の前半部が挫傷することが多いです。脳の機能障害として意識障害や精神症状が前面に出ることが多いのはこのためです。


続いては急性硬膜下血腫です。切断された架橋静脈から徐々に出血が続き、硬膜と脳組織との間に血腫が形成されたものを急性硬膜下血腫と呼んでいます。最初は無症状なのですが、その後血腫が大きくなるにつれて頭痛や吐き気・嘔吐などや片麻痺やけいれんが出てきます。発症時期は血腫が大きくなるスピードが異なるため、外傷後すぐの場合から24時間くらいは発症すると考えておいてください。

最終的に意識障害・呼吸停止になります。生命の影響を考慮して緊急手術などが行われますが救命率は50%以下と言われています。現場で判断する場合に受傷時に意識を失う場合もありますが、失わない場合も多いのでその場での判断は行わず専門施設に搬送しましょう。

現場での対応をさらに詳しくみていきましょう。これまでお伝えしてきたものは、診断は専門施設でのCTスキャンでのみ可能です。なのでどのような専門家でも現場で頭蓋内のイベントの有無や進行状況を判定することは不可能です。現場にいる人に重要なのは疑いのあるものも含めて早期の発見です。時間が経って頭痛などが出てきた場合はすぐに脳神経外科を受診しましょう。そして受傷後24時間あまりは常に誰かと一緒に生活するように指導していってください。

【2.脳震とうについて】


脳震とうは、急激な脳組織のひずみによって脳の機能障害をきたして精神活動が障害されたときに脳震とうと読んでいます。脳震とうは脳への間接的な衝撃で、主に神経細胞から大脳の深部にひずみが生じて、結果的に神経繊維が引き伸ばされて機能障害を起こすようになっています。

脳震とうはスポーツ競技で高頻度で起こっています。例で言えば、コンタクトスポーツ(人がぶつかる可能性のあるスポーツ)で起こることが多いです。バスケ、サッカー、ラグビー、格闘技などです。バレーボールは相手と衝突することは少ないですが、ボールを追いかける際に味方と衝突する可能性がありますね。

パーセンテージはさまざまですが、競技者に関わらず1回脳震とうを起こした人は起こしていない人に比べて6倍起こしやすいと言われているんです。そして脳震とうは側頭部への衝撃で多くなります。脳震とうも意識レベルによって判定が変わってきます。

1. 何もしないで開眼している
2. 声やその他の刺激などによって開眼する
3. どんな刺激に対しても開眼しない

という3段階に分けています。初期対応としては病院への搬送を手配した方が安全です。その際に受傷者を横向きに寝かせてあごを少し前に出す昏睡体位にしておきましょう。無理に揺らして起こすことがないようにしましょう。脳が揺れ、余計に症状が悪化する可能性があります。救急隊の方が来られるまで状態を観察して報告しましょう。

【3.大出血
について】

続いては出血に関するケガです。

1番に出てくるのがショック状態です。ショックは何らかの原因で血圧が低下して全身に血圧が行きわたらなくなりため、組織に酸素やブドウ糖などの不足が起こってさまざまな障害を引き起こす状態をいいます。ショックは、ショックが起こる前兆としては顔面蒼白・発汗・皮膚の冷感・早い脈拍などがあります。この症状が出てきたらショック状態を疑ってください。

自覚症状としては口渇・悪心・嘔吐などがあり、診断の際には先程のような症状に加えて血圧の低下や意識の低下があればショック状態と診断されます。血圧低下の判断の基準としては前腕の橈骨動脈が触れなければ80mmHg以下、鼠蹊部で大腿動脈が触れなければ70mmHg以下、頚動脈が触れなければ60mmHg以下と簡易的に判断します。もし小さな子どもがショックの疑いがある場合、血圧を触れるのが難しい場合は爪を圧迫して白くなった爪がピンク色に戻るまでの時間が2秒以上あればショック状態と判断してください。

その上で出血性ショックについて話していきます。出血性ショックはショックの種類の中の90%を占めています。残りの10%は頚椎の骨折時に起こる神経原性ショックや肺が破れて空気が胸腔内に漏れて起こる緊張性気胸などがあります。人間の血液量は成人で体重の7〜8%といわれています。体重が50kgの人は約4リットルになります。血液全体のうち、20%以上が急速に出血によって失われると出血性ショックになり、30%以上が失われると生命に危険な状態になります。非常に怖いですよね。出血には外出血と内出血があり、外出血は身体を観察することで出血部位や出血量を確認することができます。しかし、内出血はその判断をすることが難しいです。これは身体の傷跡や受傷機転から部位を推測して、血圧や脈拍、呼吸数などから出血量を推測する必要があります。

出血があれば止血をしなくてはなりません。ここからは止血の方法について話していきます。止血方法として外出血に対しては、

1.直接圧迫法
2.止血帯法
3.間接圧迫法

以上の3通りの止血法があります。ひとつずつ解説していきますね。

まずは直接圧迫法です。直接圧迫法は最も基本的な止血方法で、出血している部位にきれいなガーゼやハンカチなどを当てて指先か手のひらで直接圧迫する方法です。太い血管から出血していて片手で止血できないときは体重をかけて圧迫してください。手足からの出血であれば出血部を心臓より高い位置に挙上すると止血しやすくなりますよ。もし傷病者がウイルス性肝炎やHIVなどに感染している場合、たとえ小さくても傷があれば感染する可能性があるのでゴム手袋を使って感染防止をしていきましょう。すぐには判断できないかもしれませんが、そういった可能性も考えて処置するべきです。

続いて止血帯法です。止血帯法は直接圧迫法では止血が難しい四肢の出血に限定して行われます。止血帯は細すぎると皮膚に食い込んで血管や神経に損傷を起こすので幅が3cm以上のものを用意しましょう。30分以上止血する場合は神経損傷や末梢の壊死をきたす可能性があるので30分に対し1〜2分は止血帯を緩めましょう。その間は直接圧迫法を行ってください。

最後に間接圧迫法です。間接圧迫法は出血している部位よりも中枢側で動脈の止血点を手や指先で中心の骨に向かって圧迫して出血部の血流を減少させる方法です。止血の原理は同じですが、普段から練習しておく必要があります。わざと出血させる必要はありませんが、イメージしてシミュレーションを用意しておくべきです。

予備知識として内出血に対する処置も解説していきます。内出血に関しては現場で行える処置はほとんどありません。安静にしてショック体位を取って外科的処置の行える病院へ搬送してください。ショック体位とは両足を30cmくらい挙上して枕を使わず頭を低くした状態のことです。これで脳や心臓など重要臓器への血流を確保していきましょう。

【4.頭蓋骨骨折
について】

最後に頭蓋骨骨折についてまとめていきます。頭蓋骨は外側と内側に骨皮質という緻密で固い骨組織があって、その間にある板間層という血管などに富んだ柔らかい海綿状の骨という二つのパートからなっています。表面は円形です。

骨折の分類としては線状骨折と陥没骨折があります。線状骨折は頭蓋骨に対する外力で瀬戸物が割れるように骨が割れている状態のことをいいます。この骨折は一般的に硬い平面に頭部をぶつけたときに起きやすいです。受傷場所によっては広範囲になることもあります。陥没骨折は小さな物と衝突することで頭蓋骨の一部が陥没する骨折のことをいいます。イメージとしては、ピンポン球を押したときに一部が凹むあの状態です。陥没したところから脳組織を圧迫したり傷つけたりする可能性があります。

診断としてはX線撮影やCTでの診断になります。頭皮の下にたんこぶなどができていると、周囲が腫れてその影響で頭皮の中央が陥没しているように見えてしまいます。患者本人も痛みなどの症状は自覚がないと思っておいた方が良いです。頭部からの出血が続くと硬膜外血腫が増大します。本人は多少血腫が大きくなっても無症状のことが多いです。徐々に血腫の割合が増えて頭蓋内の圧が上昇してきます。こうなると頭痛や吐き気、嘔吐などの症状が出てきます。さらにひどくなって進行していくと片麻痺やけいれんが起こります。そこからさらに意識や呼吸など生命維持に必要な脳幹が圧迫されて命の危険におかされます。これが脳ヘルニアです。症状の重症化は個々に差があるので初期対応が非常に重要です。初期症状としては頭痛が重要なのでここでの診断があれば手術して救命できる可能性があるので初期対応を非常に大事にしてください。処置の早さが大切です。

【最後に】

こういった処置には、包帯や氷など準備しておくべきものがいくつかあります。そして、処置には時間が本当に重要だということも覚えておきましょう。1分、1秒が生死をわけるのは本当です。ジムに準備しておくことはもちろん、フィットネスクラブや指導する施設にそういったものがあるか、その場所がどこなのかは必ず最初に確認しておきましょう。その準備が、トレーニング指導者として大きな実績と信頼に繋がります。

現場で判断できず医療機関での診断のものもありますが、頭に入れておくことで初期対応を迅速に対応できるようにしておきましょう。傷病者の命を守るのはもちろんきちんと対応することで、後に自分自身を守ることになります。正直、こういったことが起こることを想像すると怖いですし、目をそらしたくなると思います。ですが、その覚悟がある人が、お客様の身体を変えることができると思っています。ぜひ筋肉や解剖学だけでなく、こういったリスク管理も頭に入れておきましょう!

▼ライター
高月宏和(Hirokazu Takatsuki)
スポーツ系の専門学校を卒業後、J1リーグに所属する静岡の清水エスパルスに入社。一般の方からプロ選手までのトレーニング指導を5年経験したのち、パーソナルトレーナーとして独立。独立から7ヶ月後にパーソナルジム『BodyBrand』を設立。主に一般の方の『美姿勢づくり』『ダイエット』をサポートするパーソナルジムとして定評があり、現在は5名のトレーナーと活動中。

 

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